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己の価値を知らぬとて ページ30

赤side



もう空はオレンジ色に変わって、店はどんどん閉まっていく

道の裏も、角もおらん。あいつがひとりで帰るなんて有り得んし
外におらんってことは、可能性は中にあるわけで。危険な目にあっているとしか思えない

人攫いや、売人。趣味嗜好の変わった奴らが夜になると集まってくる。しかもあいつは九尾の狐。希少性を価値として狙う輩はきっと多い



赤「…見つける……吐いてでも…」


橙「おいっ!!あれ!あそこ!!」



ここの心臓でもある神社。封じられた入口から、何か影が動くのが見える。少しでも可能性あるなら、縋るしかない

屋根を飛び越えて鳥居を潜り、戸を開けようとした瞬間、ガタン!と何かがぶつかる音がした

戸を壊し中に入ると同時に辺りは煙に包まれ視界が奪われる

煙をかき分けて前に進むと、目の前には眩い光を放つ狐がじっとこちらを見つめていた




「……美しい……九尾の狐が俺の…!欲しい…その目…尾、皮、毛。全てが欲しい!!商品にするなど愚かだ…ずっと傍に置いていたい!!」


赤「触んな!!!」




目玉妖怪は俺たちの声を聞かず一目散に走り出す

狐は逃げもせず、ただじっと見据えて


瞳に伸ばされた腕を



大きく口を開け喰らいついた




「……は、?…………ああ"ああああ"ああぁぁぁ…!!!!」




引きちぎられた断面から赤黒い血しぶきが飛び散る。思いもよらぬ痛さにそいつは床にのたうち回った

床に舞った血を避け、前足をそいつの体に乗せると軽く撫でると、体は忽ち炎に包まれる

これが……淳太の力…?




橙「…淳太く」


黄「……きらい……おまえ、きらい。おまえがさわるの、きらい。あるくの、しゃべるの、おまえがいきるの、きらい」



炎はさらに強くなり、床から天井に燃え移る。落ちてくる柱に身体を貫かれ、そいつは泥のようにぐちゃぐちゃで、生き物とも思えなかった

火を臆することなく顔を突っ込み一心不乱に肉片を貪り続けるその姿は正真正銘の獣だった




「……いいぞ……美しい瞳に看取られるなら…あぁ…この世で俺が見てきたものに勝る美しさだ…」


黄「おまえきらい…いやだ…いやだいやだ……きらいだ…」


「頼む…最期に、、名前を………ぁ"…!」






気付けば俺は狐の口を塞ぎ、照史は喉元に刀を刺した






赤「そんな汚いもん食べたらあかん」



橙「お前が呼んでいい名前ちゃうねん」





.

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ニョロモ(プロフ) - そのこさん» えええこちらこそJWだけじゃなくてQKのやつも読んでます…!そんな可愛い案があるんですねよく思いつきましたありがとう。あにまるせらぴーをひらがなにしてるところ1ポイント(?)。時間かかるかもですけどぜひ書かせて貰いますね〜 (9月5日 20時) (レス) id: 73f4cb0971 (このIDを非表示/違反報告)
そのこ(プロフ) - 1作目から一気見しました大好きです…(合掌)遙か先になっても大丈夫なので、お久しぶりのばどのターンが見たいです!(ばど推し)桐山くんが調子悪そうな時に九尾の力を使いこなせるようになった淳太くんがあにまるせらぴー(流星風)してたら可愛いかなと思いまして…! (9月5日 19時) (レス) id: e5755da676 (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - sy1111さん» 弟助けるお兄ちゃん達めっちゃいいですねー!!やってみます!過去編も相まって結構かかってしまったらすみません…! (8月24日 23時) (レス) id: 7ad21053e9 (このIDを非表示/違反報告)
sy1111(プロフ) - いつも楽しく小説を読まさせていだいています.。o(♡)‪あの全然何時でもほんとに大丈夫なのでいつか弟組が窮地に陥って兄組が妖怪の力本領発揮で助けにくるみたいな話が主様の小説で読みたいです!これからも応援しています! (8月24日 4時) (レス) id: 6ad7fd250a (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - ミーツさん» えへへへへどうしても不機嫌な重岡さんとこたしげの絡みを書きたかったんだぜ。あと前髪グチャってする流星くんも。こういう系私も好きー! (8月14日 21時) (レス) id: 73f4cb0971 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニョロモ | 作成日時:2023年6月17日 0時

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