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己の価値を知らぬとて ページ29

黄side



俺が気付くと、偽物は照史の体のまま俺の腹に拳を食らわせる。よろめいた隙に後ろから首を掴むと、面布の上から手ぬぐいを抑えそのまま引きずられる




黄「ぐっ、ぁっ……ん!んー!」




放り投げられたそこは社の中。偽物は扉を閉めると、もう一度ボディーブローをして、俺は簡単に手足を縛られた。偽物はいよいよ人間の形を成しておらず、粘土のように照史の顔は溶けていく。崩れ落ちた塊からは沢山の目玉がギョロりと覗いてる




黄「んんん!んん!」


「口は塞がない方が良かったか。この仮面も取ろう」


黄「ぷはっ!…おい!何やねんこれ!!」


「…はぁっ、矢張りいい…!!」




人型の泥の塊は狐の面を捨てた途端、口に手を当てて恍惚の表情に。腕が顔の輪郭をなぞり、また寒気がくる




黄「お前は…何が目的で…」


「俺は百目。百の目を持つ妖。目的は…くくっ、ここまで来て察せずと…日の入りに一度締め、月が昇ればまた開く。次は妖の本命。闇市だ」


黄「……。」


「狩った人間の死体や呪術書。遊女の霊が集まる遊郭も。生きて帰れないと言ったろ?

…こうやって、商品として売られるからだよ」




百目はそう言って、品定めのように全身を舐め見る

視線からして気持ち悪い…どうする…どう逃げる…




「金に輝く眼…仮面奥の光は間違いではなかった…しかし、俺は無理矢理もぎ取るような低俗達とは違う。そんなもの、折角の美に傷がつく」



無理矢理拉致しといて何言ってんねん。手の縄を外そうとする俺の顔を抑え、そいつは顔にある全ての目で俺を見つめた



「俺が百の目をどう集めたか知ってるか?身も心もゆーっくり服従させると、自ら捧げる様になる」


黄「……!」


「ここは、内と外を切り離す場。ここで過ごし、やっと外に出たとて、既に外の世界は動き元の場所には帰れない。それに絶望し結局俺に戻るんだ」



黄「……こんっの!」ガッ




両足で蹴って距離を離しても意味を持つわけがなく。寧ろこの抵抗を喜んでいるかのように、俺が後ずさるスピードにわざと合わせて近づいてくる



「そう逃げるなよ…この見た目が嫌か?」



来んな…、近づくな、!



「女か。可愛い犬がいいか。それとも、信頼のおける仲間の方が安心か?」




お前が照史に成りすますな…、!




「俺に名前を呼べといったな。教えてくれ…」




俺は、、…おれは…!





「名前、何て言うんだ…?」






俺はお前が、大っ嫌いだ





.

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ニョロモ(プロフ) - そのこさん» えええこちらこそJWだけじゃなくてQKのやつも読んでます…!そんな可愛い案があるんですねよく思いつきましたありがとう。あにまるせらぴーをひらがなにしてるところ1ポイント(?)。時間かかるかもですけどぜひ書かせて貰いますね〜 (9月5日 20時) (レス) id: 73f4cb0971 (このIDを非表示/違反報告)
そのこ(プロフ) - 1作目から一気見しました大好きです…(合掌)遙か先になっても大丈夫なので、お久しぶりのばどのターンが見たいです!(ばど推し)桐山くんが調子悪そうな時に九尾の力を使いこなせるようになった淳太くんがあにまるせらぴー(流星風)してたら可愛いかなと思いまして…! (9月5日 19時) (レス) id: e5755da676 (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - sy1111さん» 弟助けるお兄ちゃん達めっちゃいいですねー!!やってみます!過去編も相まって結構かかってしまったらすみません…! (8月24日 23時) (レス) id: 7ad21053e9 (このIDを非表示/違反報告)
sy1111(プロフ) - いつも楽しく小説を読まさせていだいています.。o(♡)‪あの全然何時でもほんとに大丈夫なのでいつか弟組が窮地に陥って兄組が妖怪の力本領発揮で助けにくるみたいな話が主様の小説で読みたいです!これからも応援しています! (8月24日 4時) (レス) id: 6ad7fd250a (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - ミーツさん» えへへへへどうしても不機嫌な重岡さんとこたしげの絡みを書きたかったんだぜ。あと前髪グチャってする流星くんも。こういう系私も好きー! (8月14日 21時) (レス) id: 73f4cb0971 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニョロモ | 作成日時:2023年6月17日 0時

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