己の価値を知らぬとて ページ26
黄side
赤「お、そろそろか。ここが妖市でっせー」
黄「…………ゎ…」
道が開けた瞬間、景色がガラリと変わった
木材で建てられた出店から顔を出して客を招く列が軒並みにあり、その客たちも一度はぐれたら見失うぐらい交差している
赤と青の提灯が看板を照らしてるけど、所々昔ながらの漢字が使われている
まるで江戸時代にタイムスリップしたかと勘違いしそうになるけど、そこにおる人達は豚の頭やったり、蛙が二足歩行してたり、今すれ違った綺麗なお姉さんは後頭部に大きな口がついていた
橙「相変わらず賑わっとんなぁ。決まった日時に開催されてて、薬とか古本とか色々売ってんねん。あそこに鳥居見えるやろ?」
指の方を見ると確かに道の先には山があり、そこから赤い鳥居が目立つ
橙「あそこで現世と繋がる場所を変えとんの。俺らも戸から来たやろ?毎月場所が変わんの」
赤「市場の商人丸ごと変えるから、移動販売ならぬ移動市って感じやな」
橙「流石に日が暮れるまでには帰ろ。じゃあ、この分頼むわ。大体この辺りの店で買えるから」
しげは最後まで眉を顰めていたけど心配し続けても仕方ないってわかったみたいで、笠を深く被り直して自分の分を買い出しに向かった
さてと…
渡されたメモには簡潔に書かれたリストが二、三個ほど
やばい専門用語や。何屋に売ってんのか検討もつかん
とりあえずこれは最後に薬って書いてあるし、目の前の薬屋に行くのが妥当か
黄「……。」
「いらっしゃい。何をお探しかな」
奥から出てきたのはのっぺらぼう。生で見たのは初めてで、なかなかのインパクトに声が出そうになったけど堪え、紙に書かれた文字を指さす
店主は一瞬固まったけど、暫くすると意味を汲み取り、面倒くさそうにつるつるの頭を搔いた
「……、あぁ、これ?何さ、喋れもしないのか」
黄「……。」
「あぁ〜、よく見たら封印の紋だなそれ。なぁんだ、遣いの死びとか。ふっはっはっ、口まで封じられるとは
惨めだなぁ〜!!!」
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ニョロモ(プロフ) - そのこさん» えええこちらこそJWだけじゃなくてQKのやつも読んでます…!そんな可愛い案があるんですねよく思いつきましたありがとう。あにまるせらぴーをひらがなにしてるところ1ポイント(?)。時間かかるかもですけどぜひ書かせて貰いますね〜 (9月5日 20時) (レス) id: 73f4cb0971 (このIDを非表示/違反報告)
そのこ(プロフ) - 1作目から一気見しました大好きです…(合掌)遙か先になっても大丈夫なので、お久しぶりのばどのターンが見たいです!(ばど推し)桐山くんが調子悪そうな時に九尾の力を使いこなせるようになった淳太くんがあにまるせらぴー(流星風)してたら可愛いかなと思いまして…! (9月5日 19時) (レス) id: e5755da676 (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - sy1111さん» 弟助けるお兄ちゃん達めっちゃいいですねー!!やってみます!過去編も相まって結構かかってしまったらすみません…! (8月24日 23時) (レス) id: 7ad21053e9 (このIDを非表示/違反報告)
sy1111(プロフ) - いつも楽しく小説を読まさせていだいています.。o(♡)あの全然何時でもほんとに大丈夫なのでいつか弟組が窮地に陥って兄組が妖怪の力本領発揮で助けにくるみたいな話が主様の小説で読みたいです!これからも応援しています! (8月24日 4時) (レス) id: 6ad7fd250a (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - ミーツさん» えへへへへどうしても不機嫌な重岡さんとこたしげの絡みを書きたかったんだぜ。あと前髪グチャってする流星くんも。こういう系私も好きー! (8月14日 21時) (レス) id: 73f4cb0971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニョロモ | 作成日時:2023年6月17日 0時