妖怪㐂伝、虹の岡［all］〜漆〜

家だね、我が家だね ページ3

橙side




橙「はよ起きぃ、こんのぐーたら！！」





共同生活が始まって数週間

ちらほら家の中にも暮らしらしさが増えてきて、俺もこの家の間取りに慣れてきたこの頃

朝起きて畑で野菜作ったりして、ご飯食べて風呂はいって

なんてことない日々を過ごしてるこの頃




紫「………まだはやいやん」




改めてこいつの人間と程遠い生活水準の低さが露呈し出した

縁側に寝転んだと思えば眠り、煙管吸ったと思えばどっか行き、帰ってきたと思えば腹は空いてない。たまに食ったと思えば同じもんしか食わん。そしてまた寝る




橙「だからそんな鶏がらなんや。米と魚と野菜を食え」


紫「鶏がらは昔からや。言うなら人間の俺に言え」


橙「せめて煙管！もうこの家禁煙にするからな！」


紫「家主が吸うから却下やな」


橙「吸うな言うてんねん！」





くそぉ…流石ぬらりひょん。口でもすいすい交わしてくる。

実際勝手に他の人の家スイっと入ってお茶請けだけ頂いて帰ってくるし。俺には何が楽しいのかわからん





紫「お前はほんまに変わらんなぁ〜。鬼の頭領ならもっと横柄でも許されんのに」


橙「…"職でふんぞり返るなんぞ、人間の恥や"


親父さんの教え。一度武士道を習ったら一生背負え。上に立てば謙虚に、下に立てば堂々と。それぐらいで全員同じ立場に均す方がええねん」


紫「……ふは、…お前の師匠は俺と真逆やなぁ…会ったことなくてよかったわぁ…ふわあああ」


橙「まだ眠いんか！ちゃんと夜寝ぇや！」





なんで俺がこいつの世話してんねん！





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