長く冷たい夜の日 ページ11
橙side
緑「………。」
赤「智洋さま…ッ!」
死体…いや虫みたいに蹲ってしまう智洋くん。智洋くんの混乱を読み込んでか、大毅も更におろおろと顔を歪ませる。
元々小柄な体をさらにちっちゃく纏めてピクリとも動かなくなって。あの体制じゃ体痛くて休まらんやろ……、
紫「……俺、もうあの子に声掛けて来よかな」
橙「待って…!」
よぉく見ると、指がもぞもぞ動いてる…畳縁をつついて、なんか、おっかなびっくりに様子を伺ってるようやった
橙「もしかしたら、広い部屋が怖いのかもしれんな」
紫「……?」
橙「今まで、あの狭い部屋にずっとおって、外にも出ることがなかったらしいし。広間に行ったとしてもお偉いさんやろ?上座にしかおらんやんそんなん。……そうやろ?」
赤「ぉ、…おん。守神様は簡単に姿を見せたらあかんから部屋に仕切りと暖簾を作って、智洋さまはいつもそこにおったで」
橙「……多分、怖いんやって。自分で決めて行動すんのが。勝手に動いたらええんか、動いて迷惑かけたら…って、」
そう思えば、あの体がもっと小さく見える。
まだ子供なんに背中には重たいもんが沢山乗っかって押しつぶされてんねやな
あんまり言いたくないけど…ほんまに運の悪い可哀想な子というか
紫「それやったら…何とかしてあげたいな!な?」
赤「ぉ、おん」
紫「よぉーし。しげちゃん、あの子が好きなもんて何?」
赤「え、ええっと…犬とか猫は、一回野良が中に入っちゃった時めっちゃ喜んでたし…甘い物!お菓子も好きやで!」
.
.
橙「…これ上手くいくんか」
紫「しゃーないやんけ犬がそんじょそこらにおらんのやから。これが今できる限界や」
橙「智洋くんが犬やんけ……ほいっ、!」
緑「あいたっ……なにこれ…」
コツンと見事に当たったちり紙に包んだ金平糖。少々雑なやり方やけど、どこから飛んできたか見てなかった智洋くんは見事に興味津々。その間にまた少し近くに二、三個投げてみた
指でつついてみて、様子を観察して、ようやく中身を確認する
すると思いがけない色とりどりの甘い匂いに目を丸くして体を起こした
紫「いけっ!食べ!」
赤「金平糖は初めてかもしれん…」
橙「お腹は空いてるやろし、食いつきやすいかもやけど…」
緑「……………………………ぱくっ」
赤・紫・橙「食った!!」
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ニョロモ(プロフ) - そのこさん» えええこちらこそJWだけじゃなくてQKのやつも読んでます…!そんな可愛い案があるんですねよく思いつきましたありがとう。あにまるせらぴーをひらがなにしてるところ1ポイント(?)。時間かかるかもですけどぜひ書かせて貰いますね〜 (9月5日 20時) (レス) id: 73f4cb0971 (このIDを非表示/違反報告)
そのこ(プロフ) - 1作目から一気見しました大好きです…(合掌)遙か先になっても大丈夫なので、お久しぶりのばどのターンが見たいです!(ばど推し)桐山くんが調子悪そうな時に九尾の力を使いこなせるようになった淳太くんがあにまるせらぴー(流星風)してたら可愛いかなと思いまして…! (9月5日 19時) (レス) id: e5755da676 (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - sy1111さん» 弟助けるお兄ちゃん達めっちゃいいですねー!!やってみます!過去編も相まって結構かかってしまったらすみません…! (8月24日 23時) (レス) id: 7ad21053e9 (このIDを非表示/違反報告)
sy1111(プロフ) - いつも楽しく小説を読まさせていだいています.。o(♡)あの全然何時でもほんとに大丈夫なのでいつか弟組が窮地に陥って兄組が妖怪の力本領発揮で助けにくるみたいな話が主様の小説で読みたいです!これからも応援しています! (8月24日 4時) (レス) id: 6ad7fd250a (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - ミーツさん» えへへへへどうしても不機嫌な重岡さんとこたしげの絡みを書きたかったんだぜ。あと前髪グチャってする流星くんも。こういう系私も好きー! (8月14日 21時) (レス) id: 73f4cb0971 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニョロモ | 作成日時:2023年6月17日 0時