紛い者なりにそれなりに ページ10
紫side
紫「ふわあああ…」
妖怪になって数年、数十年?
俺はのらりくらりと世を渡る日々を続けている
あの村は、
指のひと振りで骨を砕く力。初めて使った時の感動が懐かしいわ
唯一の心残りとしては、お寺さんをお父ちゃんひとりに任せたことやなぁ
死ぬ前にさっさと奥さんつくって子供でも……いや十九には無理か。やっぱり後悔なく生きれたってことで
紫「こんままぐーたら過ごすんかぁ…」
金がなくとも、食料がなくとも、苦しむほどに辛くは無い
たまにお家に上がらせてもらって、忙しなく働く人間さんを菓子にお茶を頂くのを楽しみにする毎日
あと、自分が妖怪になった影響で、あちら側の眼を持たせてもらった。つまり、
紫「…ありゃ、すねこすりか。」
他の妖は見えるし会話もできるということ。よく小物たちがちょこまか動いてるのをぼーっと眺めてる
退屈やなぁ……なーんか面白いことないかなぁ
そんなことを考えていたある日。いつもケラケラ遊んでいた妖怪たちが、せかせか急いでどこかへ向かっているのを見かける
紫「……おーい、今日は何したん?なんかの祭り?」
「なにいうか!でんごんひょうをみてないな!」
「たいへんだ!いそがねば!」
紫「何が大変なんて」
「そうだいしょうが!おなくなりになったのだ!」
紫「……ほーん?」
「およそさんびゃくねん、おつとめになったのが」
「はんらんだ!かしんのおひとりがたたかいのすえ」
「おくびをかちとったらしい!げこくじょうだ!」
「われわれもつづかねば!ようかいのれきしをきざむのだ!」
妖怪の、歴史…
大将って、そんな人おったんや。てかあるんやそんなん。みんな俺みたいな生活してる思てたわ
なるほどなぁ、一番上がいなくなったから、その席を奪い取る為に各地から妖怪らが集まって闘うと…
紫「……おもろそうやん。よっしゃ!俺も行こ!」
こうして俺は京都に向かったのだった
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ニョロモ(プロフ) - ミーツさん» 小瀧さん過去編リクの方!いやほんとずっとお待たせしてしまい申し訳ないです😵💫ちびのん私もお気に入りです! (5月24日 7時) (レス) id: f25e12ff95 (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - sy1111さん» やった〜〜!本当に長らく続いてこれからも長々と続くと思います笑。またコメント待ってますね〜! (5月24日 7時) (レス) id: f25e12ff95 (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - そらさん» ありがとうございます〜!期待に応えられるように励みますね!それとそらさんの作品も素晴らしいです! (5月24日 7時) (レス) id: f25e12ff95 (このIDを非表示/違反報告)
ニョロモ(プロフ) - よつばさん» とてつもない褒め言葉頂いてた…!文書書くのって難しいですよね。私もまだまだ模索中です笑そのコメントからでも十分素敵な語彙をお持ちだと思いますよ☺️もし、物語を書く予定がありましたら楽しみにしております!ありがとうございました! (5月24日 7時) (レス) id: f25e12ff95 (このIDを非表示/違反報告)
ミーツ(プロフ) - 小瀧君のお話とっても面白かったです!!!これからのお話も楽しみです! (5月24日 6時) (レス) @page50 id: 14a6943df6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニョロモ | 作成日時:2023年2月21日 0時