妖怪㐂伝、虹の岡［all］〜陸〜

照猫画虎 ページ45

桃side



桃「……んぅ…………、ん…」


「あらあら、起きちゃったの？」


桃「んん〜、おきたぁ」




しらん間におひるねしてた。おかんがのんの近くにきてだっこしてくれた。お花みたいな…いいにおい…



桃「ん…おなかすいたぁ」


「ふふ待っててね、今日は早めに食べましょう。一緒に」




まだねむたい目をこすって、ゆっくりうなづいた。へやが暗いからぽやぽやする…

おかんが奥にいったからのんもおふとん片づけよ。ぺったんこのまっ白なふとんをたたんではじっこに持ってく




桃「………わんわん？」




おりの中に入ってねてるわんわん。チワワとかじゃなくてあんま見たことないわんわん。でもなんかキズだらけでいたそう

すき間からてをのばしたらちょっと目があいて、てをギュッてにぎってくれた



「……っ……の……ぞ…」


桃「ぇ……いまわんわんしゃべった！」


「やめなさい！！！」




ぐいってひっぱられて、わんわんのうでがポトって落ちちゃった

いたそう…でもおかんはちょっとおこってて、なんも言えんかった




「ちゃんと手洗って。病気が伝染っているかもしれないわ」


桃「あくしゅしただけやもん…っ、いたい！ごしごしいや！」


「落とさなきゃ…！大事な我が子に……清太郎の…大事な身体に…！」




……え？




桃「…ちゃうよ。のぞむよ、！」


「清太郎。お母さんに会う為に生まれ変わってその体に入ったことはわかっているわ。失われた時間を取り戻しましょう…！」


桃「のぞむやもん！なぁ！のんちゃんって呼んで！」




スカートひっぱってもぜんぜん呼んでくれへん。なんで、のんちゃんって…だって、みんなは呼んでくれて

…みんな？ みんなって……あれ…？




「清太郎なんでわからないの！お母さんなのよ！！」


桃「う…ッせいたろちゃう！のんちゃやもん…！うぇぇぇん！ぐすっ…うえぇぇえん！」


「ッなんで……

…まだだわ。もっと、もっと前……生まれて直ぐじゃないと私だって分からないのね」


桃「ぅえ……わあっ！」




のんをだっこして、さっきの奥のへやにつれてかれる


こんなへや、のんしらん






桃「………ひっ、！」






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