妖怪㐂伝、虹の岡［all］〜陸〜

序章にすぎぬ ページ26

橙side



変な、よく分からん人や

命に惨い残虐な奴だと思えば、人の良さそうな顔で人と話す


ほら今やって、馬を勝手に借りたことを頭下げて謝ってる
当たり前だと思うかもしれんけど、意外と出来ない人も多い

いやそもそもこいつが頭下げる性格なことが衝撃てとこもあるけど





紫「ふぅ…次は家か。どうしよか…空き家に入るか、建てるか……」


橙「建てるって、素人のなんて危なすぎるやろ」


紫「そりゃ妖怪の業者に頼むんやん。ただなぁ、金がなぁ……総大将になったら免除して貰えるんかなぁ」





…こいつの目的は未だにわからない


俺を何に遣いたいのか、なんで俺を拾ったのか

何者で、どんな人なのか


こいつを総大将にならしていいのだろうか

俺はとんでもない奴に手を貸してるんやないか




だからわかるまで、傍に居てみようと思った





紫「うーん…桐山くん、野宿いける派？」


橙「屋根があれば何でもいい」


紫「ふはは、頼もしい頼もしい。じゃ、行こか」


橙「何処に？」


紫「どこって、さっき言ったやぁん。京都」





はっ…！？





橙「い、今から！？」


紫「おん。安心し！僧侶の格好しとったらご贔屓でよう移動馬に乗せてくれんねん！

それに、はよお前を強くせなあかんから。はよ鬼にせんと」


橙「……｡」


紫「鬼を極めるって、契約内容ちゃんと守ってなぁ」





…やっぱりわからん







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