とあるメイドの恋事情【尾関光希】2 (ページ4)

今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:13,123 hit

54話ページ4

.

尾「ご無事だったんですね…！」

『人を勝手に窮地に立たせないでください』

尾「あと少しで職場に突入しようかと」

『あっぶなー。良かった今日来て』

まったく…人が1週間連絡を取らないぐらいで困ったものだ

一角を曲がった途端大柄の男に詰められたこっちの身にもなって欲しい

さっさと仕事を終わらせてこっちはプライベートモードに切り替えたいんだから。

まだまだ問い詰めてきそうなこの人を一旦後ろにし、ぽかんと口があいてる坊ちゃんの元へ

『本日もお勤めご苦労様です。こちら、今朝渡し忘れたチョコレートです。』

秀「え、態々？姉さんとかに渡しとけばいいのに…」

『贈り物は本人が直接渡したいものですよ。感謝の意です』

秀「あ、ありがとう…。はは、今年もやっぱり義理チョコだけだね。」

『……そうでしょうか』

秀「…え？」

『逆転の機会は、最後の最後まで訪れるものです。必ずしも、やれることはきっとある。…そう、四十田は思います』

秀「……｡」

『四十田Aは北沢家専属のメイド。お二人の幸せな結果を心より願っておりますよ。それでは、失礼致します。』

きっちり腰を折り、神妙な顔つきの坊ちゃんを後にした

『……なんですか。』

尾「長い間放置されていたので、」

『俺の機嫌を取れと？随分とまぁ亭主関白で』

うっ……そんな泣きそうな顔しないでよ…

たった1週間でしょ？そんなメンタル弱くないでしょ。むしろ鋼の屈強でしょ

尾「…てっきり、自分に会いに来てくれたんだと思って、」

『……、………。』

尾「え、？」

『貴方に会いに来たに決まってるでしょ！！どこに彼氏の目の前で他の男目的に会いに行く彼女がいますか！！』

尾「え、じゃ、じゃあ！」

『…秀作様に渡してから、外で貴方を待つ予定でした。まさか御一緒してるとは、。少し焦りましたよ』

尾「…先輩にも交際の報告はしないんですよね」

『……はい。お願いします』