とあるメイドの恋事情【尾関光希】2 (ページ2)

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52話ページ2

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そしてバレンタイン当日

博文様の様子はお変わりなく、むしろ日に日にご機嫌になっていく

坊ちゃんはこの日の朝食のパンをもそもそ頬張っていた

博文様は夜にクルーズ船でディナーの予定があるようで、泊まりになると自信満々に話されていた

皆様がお出かけになるのをお見送りして、お嬢様にコートを渡している時

知「そういえば、Aは無いの？」

『はい？』

知「今夜、バレンタインの予定。」

『あぁ〜……実は友人とご飯の約束が』

知「ふーん、珍しい。去年まで交友関係を明かしたことなかったのに」

『最近出会った間柄でして、丁度記念日だし美味しいものでも食べに行こうという…女子同士のノリですよ』

知「……女子同士の、ノリ、か。」

『…？』

知「…わかった。楽しんできて」

『は、はい。いってらっしゃいませ！』

ピンヒールを鳴らし出ていってしまった知晶様を見送り、早く上がらせてもらう代わりにさっさと業務を終わらす

『はい、これお二人に。』

小「おぉ毎年ありがたい。」

楠「うわぁ〜！手作りですか？！ありがとうございます！あ、僕も実は作ったんです！」

と冷蔵庫から取り出したのはなんとも可愛らしいチョコレート。女子力では全く負けてしまう

ご主人様にもチョコを渡して、あとは…

そういえば、朝渡そうと思ってたのにあんまりにも落ち込んでいたから声をかけにくくて坊ちゃんには渡せなかったんだった

…どうせ行くし、ついでに渡すか

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