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喫茶店で話し合った夜、嫌な通知がグループトークに入る。
誰かが幼馴染の事を狙っている、と。
少しずつ歪に奏でられた不協和音は留まることを知らない。
【エーミールさん、ごめんね】
個人宛に届いた一言に、前髪をぐしゃりと握りしめた。
何と言うか、もどかしいなぁ。学力的な話で言うと馬鹿やないのに、どうしてこうも人に手を伸ばすことが下手なのか。
助けてくれる距離におるのに、享受できる立場なのに。
そんな事を考えたって無意味でしかないのに。
自分が返事をせずとも次々に進むグループの会話。
大先生が行くみたいや。まあ、なんやかんや面倒見の良い人やから適任やろうなぁ。
「馬鹿はどっちやろうな…」
出会ったばかりで、頼って貰えると思っていた大馬鹿者は誰だ。
約束をして別れたのに、結局口約束になってしまったのがもどかしくて堪らなかった。
【大丈夫ですよ。今はAさんのことを第一に考えてください。落ち着いて】
在り来りな文言に溜息が漏れた。
いい大学を出ようが、幾ら学があろうが人の懐に入ることの難しさとは容易い事ではない。
だからこそ、彼女の傍にグルッペンさんは居続けるのだろうか。
綺麗な人やと思った。
このグループに居るからこそ分かる、騙りや争いとは無縁の地にいる人で。トントンさんの知り合いと聞いた時の納得感と、グルッペンさんの幼馴染と聞いた時の不納得感。
純粋で、根は真面目で、拒む事を知らない綺麗な人。
やからこそ、俺に振り向いてくれることは無い。
それでも二人で共有していたカフェの珈琲の香りがこびり付いて離れない。馬鹿やな、ホンマに馬鹿。
勝ち目のない勝負に出たってええ事なんかないのに、
こんないい大人が諦める事にこんなに苦しむ羽目に遭うなんて。
彼女と出会ったことが不運で、不幸で、見返りのない慈しみだった。
とにかく自分に出来る事は今後これから起こることへの全力のサポートと、蓄えてきた知識、人脈を行使すること。なまじ年は取っていない。今出来ることは_______と思案する私の元に一件の通知が入る。
【エーミールさん、ありがとう】
簡素に送られたそれに意識が集中するのだから本当に愚かや。
残りのたった数%にも満たない可能性に縋ってしまいたくなる。
そんな未来はきっと来ない事を分かっている。
次こそは、俺を頼ってくれへんかな。
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まる(プロフ) - 久々にこの手の類を見たくなって、極道に始まり、距離バグと脅威入手…団子侍様の独特で丁寧な小説を読んでしまうと、上質すぎて中々他のお話へ飛べませんw 楽しいお話をたっぷり読めて嬉しいです！今後も応援しております…！ (2023年4月10日 8時) (
レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - 冬野さん» 完結してから一番乗りの超絶早いコメントありがとうございます！冬野様には何度もコメントを頂いて本当に嬉しかったです！最後までお付き合いありがとうございました！ (2022年8月19日 1時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - わぁ〜！番外編までお疲れ様でした。すごく好きです。めちゃくちゃ好きです。ありがとうございました。大好きです。(語彙を失う) (2022年8月19日 1時) (レス) @page50 id: 017b983cf1 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - みひろさん» コメント＆ここまで読んでくださって本当にありがとうございます！正しく全員分の心の内だったりを細かく書いて最後に終わりたいな〜と思っております！完結はしましたがどうぞ最後までお付き合い頂けると嬉しいです♪ (2022年8月15日 14時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - 冬野さん» 冬野様 ご丁寧に、また思いの籠ったコメント頂き本当にありがとうございます。色んな方の反応やお声に支えられて無事完結できてホッとしております。今後とも何か作品をあげましたら是非宜しくお願いします！ (2022年8月15日 14時) (レス) id: 1692a09b95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：団子侍
| 作成日時：2022年1月30日 13時
