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__上弦の月と響く虫の声をBGMに庭園の砂利をゆっくりと歩く
言われるがまま庭園へと下り、彼が今、このタイミングで
私に何を伝えたいのか思考を巡らせるものの検討がつかず、
一定の距離を保って黙って着いていく
一方鬱さんは時折ﾌｰっと紫煙を吐き出しながら
ゆったりのんびりと歩き、黒いスーツに青いネクタイを身につけた彼は闇夜に溶かされているようだった
ut｢……なんや、こうやって改めて話すのは初めてやね。…緊張するわぁ｣
此方にヘラっと頼りない笑顔を浮かべ振り返る
ut｢Aちゃんほんまに可愛いし、いっつも誰かに囲まれとるやん？…僕いつも書類に不備があってとんちに怒られてなかなか会いに行かれへんのよなぁ…。せやから今日は独り占め出来てラッキーや！｣
『…確かに鬱さんはあまりお見かけしませんね…？』
ut｢やだなぁ鬱さんだなんて…皆みたいに大先生って呼んでや。それか鬱君でもいいで♡｣
冗談ぽくクネクネと少し気持ちの悪い動きをしながら｢あ、大ちゃんでもええで！｣と呼び名について更に提案するので、私は冷静に｢いや、鬱さんで大丈夫です｣とだけ返した
ut｢…そっか。｣
と少しだけ肩を落とす彼を見て、しまった少し言い方が冷たかったかななんて考えたが次の瞬間には彼は"なんか冷たい態度のAちゃんもイイネ！"と喜んでいたので心配は要らなかったみたいだ
というかそんなに声大きいと誰か起きちゃいません？
私は怒られても知らないからな…
現状に頭を抱えよっぽど顰めっ面をしていたのか、
ﾄﾝと軽く眉間に手を置かれ顔を上げる
ut｢せっかく可愛えのにめっちゃ眉間にシワよってるで｣
『……誰のせいだと、』
ut｢ふは、もしかして僕のせい？｣
言いながら眉間に置いた手は流れるように耳元へ移動し、今度はするりとサイドに流した髪の毛を梳いた
優しく壊れ物に触れるかのようにそれは何度も往復する
ut｢Aちゃん、女の子に耐性のないロボロとも仲良くなったって聞いたからさ。…そんなん狡いやん？こんな夜更けやけど勇気出して誘ってよかったわ｣
普段は皆に弄られ不憫な扱いをされていることが多いが、こんな時に限って真面目な顔をするから思わず此方も一瞬息を飲んだ
梳いていた髪の毛を1束手に取ると、
ut｢綺麗やね｣
そう目の前の男は言いながら
私の髪に愛おしそうに口付け微笑んだ
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ぴく(プロフ) - 個人的に主人公の性格とか（全部）めっちゃ好きです！頑張ってください！ (2020年9月21日 9時) (
レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - レニさん» 読んでくださってありがとうございます！大先生のところは特に構成を練っていたのでそういって頂けてとてもうれしいです！ありがとうございます！ (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - しおんこさん» こちらこそいつも変な時間に更新してしまって申し訳ないです…しかし！コメントとっても嬉しいです！！頑張ります！！！ (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
レニ - すごく面白い…！チノくんとかうつ先生のところの話めっちゃ好きです！これからも読まさせて頂きます！ (2019年11月29日 17時) (レス) id: be3a21bb3c (このIDを非表示/違反報告)
しおんこ(プロフ) - 夜遅くにすみません！雰囲気めっさすきですわぁぁー！！まじごっとですぜェ…………！！ 更新楽しみにしてますぅぅぅぅ！！！ (2019年11月28日 3時) (レス) id: 32a4d591a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：団子侍
x他1人 | 作成日時：2019年9月10日 22時
