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それを聞きチラッとこちらの様子を確認するゾムさん。
『私のことはお構いなく、お仕事頑張ってくださいね』
zm「…ちゃうねん頑張るけど〜…、お構いなくはちゃうねん〜」
os「ウダウダ言ってんと早よ行かんとトントンに粛清されるで…」
頑張れの意味を込めて最近稼働し始めた表情筋を使い返答をしたが緑の彼は首を捻り1人うんうんと唸っている。
os「俺ももう今日は動きたくないめう……はぁ、行くか。ほんならねA」
ひとたび幹部の彼が歩き始めると名残惜しそうなゾムさんが続き、またその後ろを構成員の皆さんが追っていく。
ご丁寧にいつも通りに挨拶をしてくれて。
__多分反射的に、気がつくと私は1人の構成員の手を掴んでしまっていた。
「……どうかしましたかAさん」
『あっ、いえ!すみません何でも、ありません…』
「そうですか。それではまた…失礼します」
重めの前髪と瓶底メガネをかけた地味な風貌をした人は再度挨拶だけをすると部屋から出て行った。
『また…ね。』
なんだそういうこと。
違和感の正体も現状も把握出来てしまったのは、悲しくも自身が深く深く極道に浸かった故か否か。
ht「あぁ、A。ここに居たんだ」
『ひとらんさん』
ht「ちょっと探してたんだよ。今日外で綺麗な花を頂いたんだけどAが好きそうだなっと思って。お裾分け」
『とっても素敵ですね!…本当に貰ってもいいんですか?』
ht「うん、俺が貰ってもしょうがないし。だからと言って他の幹部にあげるのは花が可哀想だし…Aさえ良ければ受け取ってよ」
どうせならばとご厚意に甘えてひとらんさんから小さな花束を受け取ると彼もまだ仕事があるらしく「ありがとう、またね」と言って自室の方へ向かった。
貰った花はカルミア…白と淡いピンクの可愛らしい花だ。
如何せんタイミングが良くて驚いたが、ひとらんさんからの差し入れは正直めちゃめちゃ嬉しい。自室に飾っちゃおうっと。
自分の身に寄せるとふわっと香る優しい匂い。
__花言葉は、裏切り。
『…花瓶とかあるのかな。』
gr「…幕開けだ。各自、頼むぞ」
「 「「了解」」」
それは既に始まっていた。
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ぴく(プロフ) - 個人的に主人公の性格とか(全部)めっちゃ好きです!頑張ってください! (2020年9月21日 9時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - レニさん» 読んでくださってありがとうございます!大先生のところは特に構成を練っていたのでそういって頂けてとてもうれしいです!ありがとうございます! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - しおんこさん» こちらこそいつも変な時間に更新してしまって申し訳ないです…しかし!コメントとっても嬉しいです!!頑張ります!!! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
レニ - すごく面白い…!チノくんとかうつ先生のところの話めっちゃ好きです!これからも読まさせて頂きます! (2019年11月29日 17時) (レス) id: be3a21bb3c (このIDを非表示/違反報告)
しおんこ(プロフ) - 夜遅くにすみません!雰囲気めっさすきですわぁぁー!!まじごっとですぜェ…………!! 更新楽しみにしてますぅぅぅぅ!!! (2019年11月28日 3時) (レス) id: 32a4d591a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:団子侍 x他1人 | 作成日時:2019年9月10日 22時