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皆さんが居た時は平気だったのにしんぺい神さんと2人になり落ち着いてしまえば頭がズキズキと痛むし、顔が火照ってる気がしてぽうっとする。

pe「…Aちゃん?大丈夫?」
『……たし、…』
pe「ん?」

ダメだ、身体は寒いのに頭は熱くて脳があんまり働いてない。

『わたし、…毒じゃない薬、初めてで…』

それを飲んで、私死んじゃわないですか?

……自分が口走ったことで目の前のしんぺい神さんは目を見開き次に顔を歪めた。
そのことに罪悪感を抱き口を閉じようとするが、「俺達がAちゃんを殺しちゃうと思う?」と聞いてきてまだ私の口は閉ざされなかった。

『…わか、りません……。ここは初めての、ことばかりで』
pe「…初めてのことって?」
『全部、です』

呂律も上手く回らなくなり拙い言葉でしか喋れなくなってきた。
ごめんなさいしんぺい神さん。こんなこと、言うつもりなかったのに。

『…ご飯を、毎日出してくれるのも』
pe「うん、」
『部屋に閉じ込めないのも…、拘束されないのも、遊んでくださるのも…、看病をしてくれることも…。女神の肩書きを必要としていないのも、全部。……ぜーんぶ、初めてで…』
pe「…うん。」
『だから、こわい。』


こんなに優しくされてもいつか酷い目にあっちゃいそうで。
こんなにも温かいのにいつか必要とされなくなっちゃいそうで。

__とても怖い。


視界がぼやけポロッと一粒、涙が目から溢れ出してしまった。
それはとてもしょっぱくて、今の感情と合わさってぐちゃぐちゃになって止まらなくなった。
あぁ、熱なんて出すからこんなに不安定。

pe「…大丈夫だよ。俺たちはAちゃんを捨てたりなんかしないよ。これは絶対。」

だから安心して薬を飲んで休んで、と彼は優しく上体を起き上がらせてくれ錠剤と水を飲む手助けをしてくれた。

あ…眠たい。
喋り疲れたことと薬の効果のおかげか直ぐに眠気が襲い私は消えゆく意識と共に瞼を落とした。

pe「ゆっくりお休み。…いい夢を。」



tn「……寝たん?」
pe「うん、丁度ね。」
tn「…なかなか難儀やな」
pe「そうみたいだね。だからトントンも意地張ってないで、優しくしてあげなよ。」


部屋の側に赤ネクタイの幹部が立っていた事も、神様のインカムを通して皆に零れた言葉が聞かれていたなんて熱に悩まされていた私は知る由もなかった。


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ぴく(プロフ) - 個人的に主人公の性格とか(全部)めっちゃ好きです!頑張ってください! (2020年9月21日 9時) (レス) id: 0dfcf80db5 (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - レニさん» 読んでくださってありがとうございます!大先生のところは特に構成を練っていたのでそういって頂けてとてもうれしいです!ありがとうございます! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
団子侍(プロフ) - しおんこさん» こちらこそいつも変な時間に更新してしまって申し訳ないです…しかし!コメントとっても嬉しいです!!頑張ります!!! (2019年11月29日 22時) (レス) id: 8616f492be (このIDを非表示/違反報告)
レニ - すごく面白い…!チノくんとかうつ先生のところの話めっちゃ好きです!これからも読まさせて頂きます! (2019年11月29日 17時) (レス) id: be3a21bb3c (このIDを非表示/違反報告)
しおんこ(プロフ) - 夜遅くにすみません!雰囲気めっさすきですわぁぁー!!まじごっとですぜェ…………!! 更新楽しみにしてますぅぅぅぅ!!! (2019年11月28日 3時) (レス) id: 32a4d591a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:団子侍 x他1人 | 作成日時:2019年9月10日 22時

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