前世 ページ1
ごぽり。
口から液体が溢れ出た。
はらはらと、白い雪が儚げに散ッている。
足元に目をやると、紅い日の丸が鮮明に映った。
「......あァ...？」
血？
俺の、血？
そう思った瞬間、又喉の奥から何かが溢れた。
「ゲホッ......！？」
足元に鮮血が散る。
ぐらりと歪んだ視界に、「ヤベェ」と呟く。
こんな時に限って部下とは別行動をとっている。
「(此れはマジでヤベェかもな...)」
どさり、と音がして、視界が斜めになる。
「(そういやァ、仕事...未だ終わってねェ
な......)」
こんな時に仕事の心配をする自分に、思わず笑いが零れた。
─────『私は死にたいのだよ、蛞蝓』
脳裏に大嫌いな青鯖の顔が蘇り、思わず顔を歪ませる。
「(彼の青鯖より先に行くことになりそうだぜ、
此れは......)」
「(自分でも分かるくらい無理してたからなァ
......其れが祟ったのか？)」
手足の感覚は既に無くなり、目も霞んできた。
はあ、と小さく白い息を吐く。
はらはらと、白い雪が儚げに散っている。
霞んできた目を必死に抉じ開けると、真っ黒な手袋を嵌めた、其れが無くとも真っ黒に染まっているであろう、自分の手が見えた。
何万と葬った、
人の血に染まった真っ黒な手。
「(もし、次が在るなら...)」
次こそは、此の手を。
「汚さずに...生きて...みてぇ...
なァ......」
悪いな、太宰。
先、行くぜ。
白い雪が降る日。
薄暗い路地裏で、一つの命が、散った。
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ミズキ(プロフ) - 応援してます！頑張ってください！ (2021年9月23日 9時) (
レス) @page18 id: fe1562cf66 (このIDを非表示/違反報告)
袖白雪 - すっごい面白いです！続きが気になります！！無理ぜず更新頑張って下さい！！ (2018年8月13日 10時) (レス) id: a1defb7cd2 (このIDを非表示/違反報告)
朝か - すごく面白いです！更新待ってます。 (2018年4月16日 16時) (レス) id: 33a7c6b017 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずれもん(プロフ) - 待ってください！？最初から泣けましたﾉω･､） ｳｩ･･･更新頑張ってください！！ (2018年2月16日 16時) (レス) id: e4b46141e5 (このIDを非表示/違反報告)
さふく(プロフ) - 文ストとヒロアカの小説が大好きなのですがヒロアカと中也の小説(男主、転生)はなかなかないので見つけたときすごくうれしかったです！！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2018年2月16日 14時) (レス) id: e805f20ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LUCK | 作成日時：2018年2月10日 18時
