小田島さん

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どうやら私の視界を奪っていたのは
小田島さんがいつも着ているカーディガンだったようで








『あの、寒くないですか？』

「俺〜？だいじょ〜ぶ！
　だからAちゃんが羽織っててい〜よ」







夏服に移行したとは言え
夜はやっぱり冷える

それにさっきから気のせいだと信じても
感じてしまう体の震えは











「‥門司から聞いちゃった
　ごめんね、怖い思いさせて」


『小田島さんは悪くないです！
　悪いのはいつまで経っても弱い私で‥、』








どれだけ時が経とうが
いつまで経っても苦しめられている私が悪い

お兄ちゃんが強くなろうとしたのも
私があの時 ______________________










「余計な事考えなくていーの」


『え？』


「門司も佐智雄も沢村も
　Aちゃんが好きだから、大切だから
　勝手に守ってるだけ」


『でも、』


「俺はね？こんなんで良かったって思ってるよ？」


『‥どうして？』








街を歩けばそう言う目で見られて
勝手に決めつけられて




中には良い人が居る事くらい私もわかってる
それでも良く知ってる人以外信じられないのが弱虫な私で








「だってさ、俺が強くなきゃAちゃんのこと守れなかった」


「Aちゃんに嫌われても
　Aちゃんが傷つかなくて良かった」









いつもふざけた話し方かと思えば
真剣に話し出すんだから狡いと思う




何も言葉を返せない私に、








門「A！！」


『もんじ、』


門「小田島さん！ありがとうございました！」


「お〜」







たった一言
そう言って私たちに背を向け右手をヒラヒラとさせながら歩き出した彼の身体はすごく寒そうだった

















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