小田島さん

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：Monji side












何年ぶりだろうか
妹とこうして一緒に帰る帰り道は












『黙っててごめんなさい』


「別に気にしてない」













俺の言うことは全く信じていないようで
不満そうにこちらを見る妹












「俺は佐智雄さんに凄く感謝してる」


『私も』



「でも同じくらい小田島さんのことも尊敬してる」












佐智雄さんは不良に囲まれたAを
そんなAを助けられず返り討ちにあった俺を助けてくれた

そんなカッコいい人で






Aも俺も佐智雄さんには本当に感謝していて










強くなりたい
妹を、大事な人を守れるくらい
佐智雄さんのように強くなりたい



そう思って鳳仙に入って
そこで出会った佐智雄さんと同じくらい強くてカッコいい先輩方







最初はなんだこの人
こんな雰囲気なのに本当に喧嘩できんのかよ
なんて思ってたけどスイッチの切り替えが凄くて
でもそのスイッチが切り替わるとさっきまでの雰囲気と打って変わって仁川〜なんて言っておんぶなんかしてもらって



本当に変な人だと
よくわからない人だと思った
















『小田島さん、いい人なんだよ』


「知ってる」


『甘い食べ物が好きなんだって』


「知ってる」


『でもね、飲み物は必ずアイスコーヒーなの』


「知ってる」









妹から聞く話はどれも俺の知る話で
それもそうだ
こっちは２年も一緒に居るんだ


数ヶ月前に出会った奴なんかより知ってるに決まってる
そう思ってたのに










『‥私、小田島さんのこと好きらしいんだ』


「しって、‥‥‥は？今なんて！？」


『小田島さんのこと、好き‥かもしれない』














何年一緒に居たとしても
知らないこともあるらしい



















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