小田島さん

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：Odajima








右手にはすっかり匂いの変わったカーディガン
左手には可愛くラッピングされたクッキー



両腕の中には大好きなAちゃん











佐智雄と門司を言い訳にして
遭わないようにしてたのは


次会った時にはもう我慢できないから
Aちゃんを困らせてしまうから









そう思って自制してきたのに










『お、だじま、、さん‥？』

「少しだけだから」








そう言えば遠慮がちに俺の背中に回る両腕










ヤンキーなんか
俺なんか嫌いなはずなのに

ありがとうもごめんなさいも
全部素直に言える子。



怯えながらもきちんと俺に向き合ってくれる子。
怖いくらい人のことを信じちゃう子。






全部が好きな所で
でもその素直さ故に誰かに取られないか心配だったけど、
今だけはサバカンに、Aちゃんの素直さに感謝して。












「俺ね、クッキー大好きなの」

『‥甘いの、苦手そうなのに？』

「そー見える？」

『‥‥見えない、かも』








きっとこの子は今まで勇気を出して俺と一緒にいてくれたんだ、向き合っててくれてたんだ。
そう思うとなおさら愛おしくて、愛らしくて。







「ねえ、お礼がしたい」

『え？だって、これはこの前助けてもらったお礼で、』

「でも俺ちょー幸せだもん
　だからこの幸せをくれたAちゃんにお礼がしたい」







真っ直ぐ、綺麗な目を見て伝えれば
照れ臭そうに、困ったように








『じゃあ‥金曜日！
　またお迎えに来てくれますか？』

「およ？明日からでも行くけど？？」

『テスト中なので‥ちょっと、』

「ふ〜ん、わかった
　金曜日ね〜」









あと４日間
今までの１週間に比べたら凄く短いはずなのに
その時間さえ恨めしく思えた



















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