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プロンプトvsイグニス 1 ページ7

プロンプトside

「うーん、寝ちゃったか…」

すやすやとレガリアの後部座席で眠るのはノクトにグラディオ、その間に挟まれてA。

今日は特別ハンターとして動いていたわけではなかったが、長距離の移動で疲れたみたいで。静かだと思って後ろを見てみればこの光景だった。

「寝てもいいんだぞ、プロンプト。まだ少しかかるからな」

隣を見るとハンドルを握りいつものようにまっすぐとした視線で車を走らせるイグニスが穏やかな声でそう言った。

「あとどれくらいなの?そろそろ夕方だよね」

「そうだな…、今の速度と道なりなら……」

どうやらあと1時間くらいでノクトの指定したキャンプにつくらしい。その周辺の水辺では魚が悠々と泳いでいるのを思い出すとまたあそこで釣りがしたくなったんだろうなあと安易に想像ができた。

椅子の首に腕を回して二人の男に挟まれて眠る彼をじっと見つめる。

今はノクトの肩に頭を預けて起きる気配すら感じないその顔は青年というには少々幼く、あまりにも整った顔のせいで少女のようにも見える。

「どうした?」

中々座らない俺が気になったようでイグニスが声をかけてくる。

あまり眺めていたら俺がAの事が好きだってことがばれてしまいそうだと思い、名残惜しさを感じながらもう一度だけ綺麗な顔を見ておとなしく席に座る。

別にこの気持ちが知られたって良かったけど、それでAとの仲が悪くなったり避けられたりしたら、俺は立ち直れなくなる。

「本当によく眠っているな」

バックミラー越しにイグニスは後ろで眠る姿を確認し口元に笑みを浮かべながら目を細める。

その笑みが誰に向けられているのか俺にはわからない。できることならAじゃないといいと思ってしまう自分の器の小ささを隠すように、オープンカーとなっているレガリアの窓枠に肘をつき景色を眺めた。

「…あのさ、イグニス」

「なんだ?」

彼の声はどこまでも優しげだった。大人っていうか、余裕があるっていうか…年齢もそう変わらないはずなのに。

俺はAが見ているのがイグニスなのを薄々感じていた。記念になるよう俺はいつでもカメラを手放さず撮りためては夜眠る前に眺めファイリングしている。

いつものようにファイリングするため選別していると、ふと一枚の写真にイグニスとAが映った。偶然なのか、そうではないのかわからないがその写真に写るAは「イグニスを目で追っている」と思わせるようなそんな表情をしていた。

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作者名:オチャネコ | 作成日時:2019年10月22日 12時

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