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「そう何度も転ばれちゃ、後で何言われるかわからないからな」

敬語をやめたことで俺はハメを外してしまい、あろうことかウインクを飛ばしてしまった。

さすがに「あ、やばい」と思ったが、彼の反応はそう悪くなかった。

「へえ…じゃあちゃんとエスコートしてよ?次僕転んだら罰ゲームでもしてもらおうかな」

怒られるかと身構えていたが、彼は笑いながらそう言うと俺にピッタリと身体をくっつけてきたのだった。

その後彼を一度も転がすこと無く車までたどり着いた。

「なあんだ、罰ゲーム楽しみにしてたのに」

後部座席に座る彼をバックミラー越しに見る。

不満を口にしている割には笑顔を顔に張り付かせて窓から外を眺めていた。

しばらくのドライブの後に屋敷へ戻るとすでに彼の誕生会ということで、いろいろな人が訪れていた。

俺はすっかり夕方からパーティがあることを忘れのんきにドライブなどしてきたことを悔いたが後悔先に立たず…

執事長にみっちりお叱りを受けたのだった。









その日から二人でよく外出するようになった。

そのことで執事長にはまた目をつけられていたが、彼との二人きり外出はそう悪くはない。車を運転することでストレス発散にもなるし、ユーシスのご機嫌も良くなるから一石二鳥というところだ。

「今日はどこに?」

「広い所が良い」

「広いところ…デパートとか?」

「そんなとこ行ったらまた転ぶだろう?もっと広いところ」

広いところって言ってもなあ…。

デパートは人が多いからダメだし、遊園地は子供が行くところだとかいって行きたがらないし…公園もこの間行ったぱっかりだし…。

そう考えてハッとする。

なんかデートしてるみたいだな…と。

「じゃあ、動物園は?」

「動物園?おりに入ってるのを見て何が楽しいのさ」

「じゃあ決まりな」

「今なんて言ったか聞こえた?!」

それはもうガッツリ聞こえていたけど、俺はその言葉を聞かなかった事にして車を走らせ始めた。

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(プロフ) - かなじぃぃいいい(´;ω;`) (2019年8月17日 14時) (レス) id: c2ed0d0fa9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オチャネコ | 作成日時:2019年3月20日 19時

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