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「ネズミはオレたちがドロを吐かせよう…まあたいていの見当はつくが……おかえり、待ってたぜアッシュ」
そう言うと今度はこっちに顔が向いた。
「そっちのとんでもねえ美人はだれだ?初めて見る顔だな」
「俺の友達さ」
「へえ…友達ね…類は共を呼ぶってか」
「それより、聞くだけ聞いたら放してやれよ」
「また仏心か?おまえこの期に及んでまだそんな甘っちょろいこと……」
「そうじゃない、ザコを殺しても何にもならないだろう。もめごとが大きくなるだけだ」
アッシュはショーターに背中を向ける。
「けっこうじゃねえか!このさい一気にカタつけようぜ、もうあのオーサーのヤツにこれ以上でけえツラをさすわけにはいかねえ」
またオーサーだ。
一体何をしているの?何がしたいの?
「俺の兄貴の遺体がどうなったか知らないか?」
「…それが――まだ検視官事務所なんだよ。身元引受人がいないんで…」
エイジの悲しそうな声が後ろから聞こえる。
「俺がこうなった以上、共同墓所にほうりこまれんだろうなあ…手を引いてくれショーター、これは俺がカタをつける」
「な…!何寝ぼけた事を言ってやがる!おまえひとりで何が出来るよ?!殺されるのがオチだぞ!!」
ショーターが大声で怒り始める。
そうしたらアッシュも怒り出した。
「俺の問題だお前には関係ないだろう!」
「俺の問題でもあるんだ!!バカヤロウ!いいか?オレの仲間はもう何人もオーサーの一味に殺られてるんだ!!オレだってこのザマさ!いつまでもコソコソ逃げまわってるなんてもうゴメンだ!!」
今アッシュをバカって言ったの?
「そんなのは犬死ってんだ!カッコよくもなんともありゃしねえ!ボスがそんなアホじゃ死んだ仲間だ浮かばれねえぜ!」
僕はショーターの前に立った。
さっきからバカとかアホとか、ひどいよ。
アッシュにそんな事言わないで。
「え……おい、何で睨むんだよ…」
「やめろ、A…いいんだ。友達ってのはたまにこうやって叱ってくれるヤツの事もいうんだよ」
…?
「OKわかったよ、なんとなく乗せられたって気がしないでもないけどおまえの手を借りよう」
友達ってそういう人のことも言うの…?
僕、よくわからない…。
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オチャネコ(プロフ) - はんなさん» ありがとうございます!主人公の性格はきっと好き嫌いが出ると思っていたのですが、そう言ってもらえて嬉しいです(*´・ω・)完結までかけるように頑張ろうと思います♪ (2019年1月9日 18時) (レス) id: 2284090fb1 (このIDを非表示/違反報告)
はんな - 主人公君何とも言えない可愛さ…この先のアッシュとの関係もどうなるのか楽しみです!お話もすごく面白いですし、なんとか完結まで頑張ってください!応援してます! (2019年1月8日 22時) (レス) id: b99f79b3ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:オチャネコ | 作成日時:2019年1月8日 18時