〈YG〉周辺視野フル活用 (ページ5)

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電車の人に声をかけられてびっくり

またさっきみたいに目を見つめてしまった

YG「ん」

何かを差し出されて
彼の手に視線を落とす

「あ、うちのスマホ」

ポケットを上から触ってスマホがないことに気づく

YG「落としてったから」

「え、あ、わざわざすいません、、ありがとうございます、、」

YG「おう」

見た目はいかつい感じなのに優しいんだな
わざわざ電車降りて届けてくれたんだ

「ほんとにすいませんでした……ありがとうございます」

慌てて電車を駆け降りてしかもスマホまで落としてったどんくさいところをずっと見られてた羞恥心と、わざわざ降りて届けてくれた申し訳なさでひたすら頭を下げる

YG「ふっ。いや、そんな大丈夫だから」

彼が笑ったことに驚いて

急いで顔を上げる

思ってた笑顔と違くて

思わずその笑顔に釣られて笑ってしまった

すると彼が驚いた顔をしたから

「あ、すいません、つい釣られてしまって…」

YG「あー、いや全然良いんだけど…」

YG「あ、あとここ。」

彼が首元を指差して

咄嗟に自分も首元を触る

「あ。」

襟が変な風に折れてしまっている

YG「ずっと気になってた」

「え。
　
　…………あ、

　だからずっとこっち見てたんですか？」

！！！！！

ハッ、と思ったことがすぐに口から出てしまったことに気づいて咄嗟に口を手で塞ぐ

でも彼はさほど気にしていないようで

YG「まあ、それもあるけど」

「も？」

YG「あー、なんかキョロキョロしてるし鬼の形相みたいな顔してたから面白いなーって」

思わぬ理由で拍子抜けして
徐々に言われた意味を理解した

「え、そんな変な顔してました？うわー…え？まじか……」

YG「ふはっ」

なんか揶揄われてる気がして眉を寄せてみせる

YG「まあたぶん俺しか見てなかったし、面白いもん見せてもらったからよかったよ」

「恥ずかしい…」

恥ずかしくて茹で上がりそう

YG「そういえば、あんたはなんでこっち見てた？」

「え」

理由もなく見つめてましたとかキモすぎる
とりあえずなんかごまかそう

「いやーなんかこっち見られてるな～っていうのと、髪が結構派手？だから？」

嘘はついてない

YG「あー、なんだ。そういうことか」

そう言うと彼は頷きながら何か考え込んでるようだ