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# 9 ¦ Hokuto side ページ9
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カフェの店長の話が来た時は
正直無理だと言って断った。
資格を取ったと言えど、
営む能力なんてないし責任感もまるでない。
ただ店長といっても雇われだし、
従業員が居る訳でもないから
気楽に出来るかも、と思い渋々ではありながらも承諾した。
俺はあの日、この選択をした俺に心から感謝した。
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俺が店長になって初めての開店。
一番最初に来たのは綺麗な人で、
話を聞くとここの常連さんだった。
彼女は甘党で毎朝ここへ通うらしい。
朝なのに嫌な顔せず笑顔で話を聞いてくれて、
その笑顔を見て俺は気が付いた。
あぁ、この人に一目惚れしてしまったんだ、と。
一日が足早に過ぎ、閉店の時間を迎える。
1秒たりとも彼女の笑顔が頭から離れなかった。
明日もまた会えるのかと心が弾む。
こんなに誰かを心から想うのは久しぶりだ。
俺は自分の重さを理解してるから
人を好きになっても、どこかで制御して、
本気になろうとはしなかった。
でも今回ばかりは制御出来そうにない。
こんなにも笑顔や声や仕草が頭から離れないのは初めてだ。
閉店作業を終えて、この街のことを知るためにも
徒歩で色んなところを詮索した。
この街で彼女は暮らしてるのかと思うと俄然足が進む。
そしてふと立ち寄った居酒屋にて、
『 あっ！ 』
「 あぁ！どうも！ 」
彼女が顔を覗かせ、あの笑顔で俺を見付けてくれた。
これは運命だと確信した。
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作者名：しろ | 作成日時：2023年9月16日 3時
