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「 あの！ 」
歩き始めてすぐ、誰かに呼び止められた。
振り返るとそこには松村さんが。
『 え、あ、はい！どうしましたか？ 』
「 一人で帰るんですか？ 」
『 はい、帰り道あの二人と真反対で笑 』
「 よければ、僕と帰りませんか？ 」
『 えっ、お食事は…？ 』
「 お腹パンッパンになるくらい食べました笑 」
『 良かったです笑 帰りましょっか！ 』
そう言うと、小走りで私の近くにくる松村さん。
カフェに居る時はカウンターを挟んでいたせいか、こんなに身長が高いとは思わなかった。近くで見ても綺麗な顔。
「 え、なんか顔に付いてます？ 」
『 あ、いやいや、顔綺麗だなぁって思って 』
「 ふはっ！ストレートに言いますね、照れます 」
『 なんかごめんなさい笑 』
「 嬉しいです、めちゃくちゃ 」
笑いながら俯いてる、横顔も綺麗。
「 そういえば、お名前聞いてなかったです 」
『 本当だ、名乗り忘れてましたね。私はAAです！』
「 可愛い名前 」
『 ありがとうございます、北斗って名前も良いですよね 』
「 嬉しい、北斗七星が由来なんです 」
『 へぇ、凄く素敵！私はてっきりご両親が漫画好きなのかと笑 』
「 うわ！それめっちゃ言われる！ アタタタのやつ笑 」
『 そうそう！』
松村さんと話すのは凄く楽しかった。
時間が経つのがあっという間だ。
「 Aさんはうちのカフェから家が近いんですか？ 」
『 はい！家から駅に向かうときいつも前を通るので毎日買ってます笑 』
「 そうなんだ、僕とも家が近いです！これからは毎日カフェで会えるんですね 」
『 インドアなんで仕事が休みの日は行かないですけど笑 』
「 分かります！僕友達居ないから必然的に家に居るしかなくなるんですけどね笑 」
家が近いこともあって、一緒の電車に乗った。
その間も話題が途切れることなく楽しく過ごせた。
『 じゃあ、私こっちなので 』
「 暗いし送ります 」
『 全然大丈夫です！ 』
「 僕が大丈夫じゃないです、ほら、」
松村さんは私の手を取って歩き始めた。
「 まあ僕、Aさんの家知らないから率先出来ないんですけどね笑 」
『 松村さんって本当に面白い 』
「 そうですか？ただのお喋りって言われますけど笑 」
なぜか、その手を離したくなくて
手を繋いでることには触れずふたりで夜道を歩いた。
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作者名：しろ | 作成日時：2023年9月16日 3時
