# 11 ページ11
-
「 ありがとうございます、落ち着きました 」
『 良かった笑 』
「 あの、迷惑じゃなければ、これ 」
『 え...これは... 』
「 カフェラテです、特段と甘いカフェラテ 」
『 えぇ！わざわざ！申し訳ないです... 』
紙袋に入ったカフェラテを渡された。
走ったのに全然零れてなくて、
気を付けてくれたんだなぁと心から感謝した。
「 今日、朝来なかったので心配して 」
『 あぁ！寝坊しちゃって時間が無くて...笑 』
「 寝坊... 良かった... 嫌われたのかと思って 」
『 そんなわけないです！ 』
「 さっき閉店作業してて、朝の準備してたらAさんの姿が見えて、急いで作って持ってきました 」
『 今日飲めなかったからすごく落ち込んでたんです、本当に嬉しい！ 』
「 良かった... 」
またあの可愛い犬歯を覗かせて微笑む松村さん。
「 そういえば今日はこんな時間なんですね 」
『 あぁ、同僚が熱出して休んだのでお見舞いに笑 』
「 昨日一緒に居らしたどちらかの方ですか？ 」
『 そうです！ 』
「 こんな時間までお相手の家で...？ 」
『 ご飯作ってあげてたら時間掛かっちゃって 』
松村さんはさっきよりも表情が暗くなった。
「 女の子をこんな時間に一人にするのは危ないです 」
『 まぁでも、家もそんな遠くないですし、人通りもありますし！ 』
「 Aさんの家の付近は暗くて人通り無いじゃないですか 」
『 ま、まぁ... でも何事も無かったんで大丈夫です！ 』
納得いかないような顔の松村さん。
クールだけどわんちゃんみたいで表情が読みやすい。
『 松村さんに会えて元気出ました 』
「 え、？ 」
『 色々あって落ち込んでたんです、でも今は平気です！このカフェラテもあるし、ルンルン！ 』
「 ふはっ、僕もAさんに会えて元気出ました 」
『 明日は寝坊しないよう頑張ります 』
「 寝坊しても僕が届けます 」
『 ありがとうございます笑 』
優しいなぁ、こういう人はお付き合いしても
変わらず大事にしてくれそうだなって勝手に妄想。
松村さんに見届けられながら部屋に入る。
わざわざ走ってまで届けに来てくれるって、
改めて考えると本当に優しいな。
お風呂に入る前に少しカフェラテ飲んで疲労回復。
この甘い、甘すぎなくらい甘いのが堪らない。
-
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 347人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろ | 作成日時：2023年9月16日 3時
