episode 23 ページ23
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Taiga side ＿
それから撮影を終えて、ラジオの現場に向かう。
そこでもまた樹と一緒だ。
「 ふは、そうなんだ、うん、良かったね 」
「 へー。でもいざとなったら俺奪うからね？ 」
「 ハハッ冗談、でもAの事が好きなのは本当だよ 」
喫煙室から漏れる声ですぐに樹だと分かった。
誰かと電話をしてるみたい。
A……？
今Aちゃんって言ったよね？
意味分かんない、は？え？
いや連絡先交換してるのは分かってるけど、電話すんの？ラジオの本番前に？しかも好きって言ってたよね？
聞き耳立てたかったけど何かもうそれどころじゃなくて無駄に廊下をウロウロしてしまう。
樹がAちゃんに好きなんて言ったら
俺の立場どうなんの？もうカップル成立じゃん。
今すぐ帰りたい。
今すぐ会いたい。
好きな人取られるってこんなに不安なんだ。
いやいやでもまだ取られたわけじゃないし。
樹がAちゃんに好きって勝手に言っただけだし。
でもAちゃんも樹に「 好きだよ 」
なんて！！言ってたらどうするよ、マジで。。
「 京本さーん、打ち合わせいいですか？ 」
『 あっ、はい、すみません 』
廊下で頭抱えながら早歩きでウロウロしてんのスタッフさんに見られてしまった、ビックリされてしまった。
大丈夫ですか…？って心配されたけど、
そう言われると大丈夫ですとしか言えないよね。
全然大丈夫ではないんだけど。
樹とスタッフさんと打ち合わせ中も
目の前に居る樹をチラチラ見てしまう。
普通にいつも通りにワイワイしてる樹。
俺はそれどころじゃないんだけど！
でもなんか、盗み聞きしてたのバレたくないし
あの電話のこと聞けなくて、本番が始まる。
「 さぁ、今日も始まりました、ってかさ、きょも疲れてる？ 」
『 え？なんで？ 』
「 さっきの打ち合わせの時もいつも以上に喋んなかったじゃん 」
『 まあ色々とね、疲れますよそりゃ、でも元気いっぱい 』
「 ひえおじが心配してたよ、あれ飯食ってんの？って 」
『 あれって言い方酷いな笑 さっき飯は食いました〜 』
それから、頭の中はAちゃんでいっぱいで
平然を装うのは大変だったけど何とかラジオ終了。
ニヤニヤしながらスマホを見る樹。
『 樹ニヤけてるよ 』
「 A、超可愛いね 」
『 は…？ 』
「 ラジオ聴いてくれてたってよ 」
もうダメだ、嫉妬しすぎて狂いそう。
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作者名：しろ | 作成日時：2023年9月14日 1時
