episode 13 ページ13
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Taiga side ＿
唇を重ねたのはそんなに長い時間ではなかったはず。
目の前に居るAちゃんはポカンとした顔。
凄く何かを考えてるような表情。
やっぱり俺じゃなくて樹が良かったんだ。
「 キスの相手が樹だったらいいのにとか考えた？ 」
『 そんな！ 』
「 帰ろっか、酔いすぎた笑 」
キスして帰るなんて最低な奴なのは分かってる。
でも、こんなに胸が痛くなるのは初めてで
どうすれば良いか分からない。
その日はAちゃんをタクシーに乗せてバイバイした。
帰ってからもずっと考えた。
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あれからどれくらい経っただろう。
Aちゃんとは全く連絡取っていない。
嫌われた自信しかない。
レコーディング中も何をしてても頭にはAちゃんが居る。
「 きょも〜最近Aちゃんとはどう？ 」
「 え？別にどうもこうもないけど 」
「 そっかー今日暇なら飲み行かね？ 」
「 いいよ笑 」
最近あれからお酒を控えてたのもあって、
お酒を飲めるのが楽しみだった。
仕事終わりいつものBARに樹と向かった。
友達を呼んでいいか聞かれ、俺が知ってる人ならと承諾した。
「 あ、来たみたい、外に迎えいくわ 」
5分後、樹と一緒に入ってきたのはAちゃんだった。
Aちゃんが来るとすぐ樹は帰ってしまった。
まさか、俺とAちゃんを二人にするため？
なんでだ？ Aちゃんは樹が好きなのに。
「 とりあえず、何か飲む？ 明日仕事？ 」
『 いえ、明日は休みです 』
「 良かった 」
何を話して良いか分からない。
絶対Aちゃんは俺に会いたくなかったはずだ。
でもAちゃんの顔を見ると少し安心した自分が居る。
それと同時に、もう離れたくないと強く思う。
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作者名：しろ | 作成日時：2023年9月14日 1時
