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46話 ページ47

「工藤君だよね?」

「そうだけど...何でAさんがここに」

「迷子」

「嘘つけ」

そんな話をしている場合じゃない
今欲しいのはこの状況の説明だ

そう思い彼に聞くと
黒づくめの男が怪しい取引をしていた為
隠れて様子を伺っていると
後ろから来た仲間に頭を殴られ
動けない所に毒薬を飲まされたらしい

説明してくれたところ申し訳ないが
それがなんでこの状況になるのかが分からない

立ち上がった工藤君は
違和感に気づいたらしい

「Aさんでかくなった...?」
「お前が縮んだんだよ」

私が急にでかくなるわけ無いだろ

若干見下ろされていた目は
今じゃ遥か下にある

「縮んだ...?俺が...?」

「写真撮ってあげる」

携帯で写真を撮ってやり画面を見せると
絶句していた

その時、警察が2人
こちらに向かってきた

「何かありましたか?そちらの子供は?」

考え込んでいるのかパニックなのか
何も喋らなくなってしまった工藤君に
仕方なく私が口を開いた

「大丈夫です、子供が迷子になってしまって。」

「そうですか、見つかって良かったですね。」

「えぇ、では。」

そう言って無理やりその場を離れた

未だに何も喋らない小さくなった男の子の手を引いて

出口に歩きながら携帯を操作し
連絡先をタップする

数コールも待たずに相手は応答した

「研二君、後ろに3人で詰めて仲良く乗って。」

『え?どいうこと?ていうかAちゃん今どこ?』

「迷子。じゃ」

そう通話を終わらせて
携帯をポケットにしまう

「とりあえずどうするつもり?」

「...家に帰るよ」

「頼る宛は?」

「それは問題ないと思う」

「じゃあ送ってく」

「助かる...すまねぇAさん」

子供の姿でその口調は面白すぎるな
なんてことを思いながら駐車場に着く

「あぁ、話合わせて。あと念のため子供の振る舞いする事。」

「どういうことだ?」

「友人も乗ってるから。」

そう言って目の前の自分の車に乗り込んだ

「トイレなげーよ便秘か?」

「陣平ちゃん、デリカシー。」

「フォローすんな快便だわ」

「暴れるなよ男3人で狭いんだから」

乗り込んだ瞬間後ろから飛んでくる失礼な発言

続いて助手席に工藤君が乗りこんだ

「「「誰?」」」

「知り合いの子供迷子になってたから保護、先に家送るから。」

「親は?」

「お、あ、僕が!A姉ちゃんとまだ喋りたくて!」

「駄々こねてるからしかたなく」

苦しい
誤魔化しが苦しい

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の! - 続きが気になります!更新楽しみにしてます…! (5月15日 0時) (レス) @page50 id: 12a63fcd20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - すごく面白くて更新楽しみにしてます😆応援してます💪✨ (5月14日 20時) (レス) id: 8d8bcc3d80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月7日 0時

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