44話 ページ45
煙草の吸う暇もなく
全員から餌付けを受けながら
目的地に辿り着く
お腹いっぱいなんだけど
駐車場の誘導員の指示通りに駐車し
サイドブレーキを引いてエンジンを切り
鍵を引き抜いて車から降りる
｢んーーー｣
固まった体を腕を上げて伸ばす
道が混んでいた為予想より時間がかかった
｢そういえばAさん、今日は珍しいね。｣
｢何が？｣
｢いっつも黒色ばかりの服着てたから｣
｢あー｣
｢言われてみれば！超可愛い、デート着？｣
｢徒歩で帰らすぞ｣
｢なんでいっつも黒なんだよ｣
黒だと何かと都合がいい
帳内でも紛れやすいし
夜も仕事中に人目に付きにくい
そう伝えると納得する顔をする3人
だが今日はそっちの予定は無いため
普通の私服を着てきた
TPOぐらい弁えてる
ちゃんとスキニーデニムだし
こういう遊園施設でスカートを履いてくる
マヌケでもない
｢あのほっそい足のどこにあんな馬鹿力あんだよ｣
｢足長...いっつもルーズシルエットだったから分かんなかったわ｣
｢スタイルいいのに勿体ないよな｣
｢見物料取るぞ｣
後ろを着いて歩いてくる3人を振り返って睨みつける
3人が仲良く戯れるのをシカトしながら
無事入場した
人が多い
家族連れ、カップル、友達グループ
そこかしこに見受けられた
｢人なのか人じゃないのか分かんないな｣
｢怖い事言わないでよAちゃん！｣
｢で、どこ行く？｣
｢Aさん、どこか気になるとこある？｣
｢ジェットコースター一択｣
こんなとこに来て
アトラクションに乗らない選択肢は無い
あの自分じゃ出来ない動きと浮遊感が
意外と好きだったりする
パンフレットを見ながら
ジェットコースターを目指して歩いた
｢タイミング良かったね、意外と早く乗れそうだよ。｣
景光君に同意した
予想より列が長くなかった為
それ程待たずに順番が回ってきそうだった
その後自分達の後ろに結構な人数が並んだのを見て
本当にタイミングが良かったと思った
｢おい｣
後ろから肩を叩かれる
振り向くと耳元に陣平君の顔があった
｢後ろ、見てみろよ。｣
何だか悪い顔して耳元で言うので
言われた通り後方に視線をやる
と丁度1組のカップルが
人目もはばからず抱き合いキスしている
｢きっつ｣
すると聞いていた3人が噴き出し肩を震わせた
後ろから視線を戻すと
丁度順番が回ってきた
今さっき後ろを見た時
何だか見覚えある人物がいたような気がしたが
気の所為だろう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
の！ - 続きが気になります！更新楽しみにしてます…！ (5月15日 0時) (
レス) @page50 id: 12a63fcd20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - すごく面白くて更新楽しみにしてます😆応援してます💪✨ (5月14日 20時) (レス) id: 8d8bcc3d80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鮫のこ | 作成日時：2023年5月7日 0時
