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43話 ページ44

「というわけなんですが、どうするこれ。」


「どうするって言われてもなぁ」
「その為だけに俺ら呼びつけたのかよお前」


今私の手には4枚のチケット

チケットには【トロピカルランド フリーパス】の文字

陽気なカラーやキャラクターで
カラフルに装飾されたソレ

先日こなした仕事の依頼人が株主だったらしく
ご友人や恋人で是非

と頂いた

目の前で突き返すわけには
流石に行かなかった為
渋々ではあったが受け取った

だがその使い道に困っていたのだ
捨てる?いや欲しい人が周りにいれば
その方に是非お譲りしたい

そう思っていた時に気づいてしまった
私の身近の人なんて
思いつく限り3人しかいない

もし彼女がいるなら
是非お譲りしたい

押し付けたい気持ちが9割である

景光君は一応私同伴でなければ外出が出来ない為
あとの2人に聞こうと自宅に呼んだ

「寄って集ってアラサーの男達が全員独り身...寂しいね」

「お前が言うなお前が」
「本当に悲しい目で見るのやめて」
「言葉の凶器が1番痛いって俺初めて知ったよ」

どうしようもないな
面はいいのに

「ていうか4枚あるなら皆で行けば良くない?」

研二君が思いついたように言った

「私は行かないって」

「なんでだよ」

「もし事件が起こったとして、絶対に首突っ込まないって誓える?」

全員が黙る

こんなメンツで行って
何も起こらない訳が無い

巻き込まれたくない絶対に

「だから誰も行かないならこのチケット捨てるね」

貰ったが使う人が居ないならば仕方ない

捨てることに決めた








「出発」

「「進行ー!」」

「...。」

決めたはずなのだが

今私は運転席に乗り込んで
不機嫌丸出しの表情を浮かべてる

「約束事その1」

「勝手にどこかいかない」

「約束事その2」

「事件が起きても首を突っ込まない!」

「約束事その3」

「守らなかったら死刑...」

「死ぬ気で守れよ」

後ろと横から
本当に理解してるのかしてないのか
疑わしい返事が聞こえてきた

結局丸め込まれて
4人で行くことになったのだ

助手席には容姿の変わった景光君
後部座席には休暇がお互い被り
私服姿の研二君と陣平君

道中コンビニに寄って
やたらと買い込んだお菓子を食べる音がする

車内汚したら死刑も付け加えとけばよかった

「Aちゃーん」

真後ろから声がして
左側から手が伸びてくる

「なにそれ」
「じゃがりこ」

それを聞いて視線は前に向けたまま
顔だけ横に向け口を開けて受け取った

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の! - 続きが気になります!更新楽しみにしてます…! (5月15日 0時) (レス) @page50 id: 12a63fcd20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - すごく面白くて更新楽しみにしてます😆応援してます💪✨ (5月14日 20時) (レス) id: 8d8bcc3d80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月7日 0時

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