検索窓
今日:16 hit、昨日:27 hit、合計:99,148 hit

42話 ページ43

ソファに預けた体をそのままにしていると
景光君がお茶を持ってきてくれた


「Aさん、病院にいこう。」

「なんで」

「なんでって、その怪我...」

「あぁいいよこれぐらい」


貰ったお茶を飲みながら
自分の体に反転術式を施す

あっという間に傷は塞がり
血の塊だけが肌に残った


「君は本当に...」

「便利でしょ」

「もっと自分を大事にしてくれ...」


溜息を吐きながらそう言われる

「無理しても面倒見てくれるでしょ」

面倒見のいい友人達がいるので
私は今好き勝手できている

その後
浴室でシャワーを浴び
今度はきちんと自室のベッドで二度寝を決め込んだ

今日は仕事も休もう
それぐらい働いた

好きなだけ寝てやろう

そう思っているうちに
意識はあっという間に落ちた


その日夢を見た

何となく懐かしい夢だった気がする

目が覚めた後は何も覚えてなかったが
久々にすっきりした目覚めだった

すると空腹を刺激する匂いが
鼻腔を掠めた

時計を見るとちょうど夕飯時
何時にに寝たかは把握してないか
体の軽さからかなりの時間を睡眠に費やしたらしい

軽い足取りで階段をおりていくと
足音に気づいた景光君と目が合う

「おはよう..っていっても夜だけど...体、なんともない?」

「おはよう景光君、お陰で絶好調です。」

「それは良かった。ご飯出来てるんだけど、お腹すいてる?」

「空腹でしかないです。」

そう言うと彼は笑いながら皿を取りに行った

大人しく私はダイニングの椅子に座る

昨日は食べ損ねてしまったので
今日は思う存分味わってやろう

目の前に並べられた夕飯を見て
すぐ手を合わせた

「美味しすぎる。」

「毎日食べてるのに絶対リアクションしてくれるよな。」

「私の一番好きな時間は美味しいものを食べてる時なので。」

あと寝る時

「あ、そうだ。景光君。」

「どうした?」

「さば味噌って...作れたりしますか。」

「作ったことはあるよ?Aさん好きなの?」

「好き。大好き。楽しみにしてます。」

「ははっ、これは頑張って作んなきゃな。」

また楽しみが出来てしまった

会話も挟みつつ食事を続けた




違う世界に2度目の生を受けたことに気づいた日
異常に事件の多い国、
その大半が集中して起こる町、
そして前世にも存在していたが
少し名前の違う地名や物の数々

何十年と人間をやってきて
初めての平穏を噛み締めている

どうか続きますように

そう願った

自分からフラグを立てている事にも気付かずに

43話→←41話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (35 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
76人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

の! - 続きが気になります!更新楽しみにしてます…! (5月15日 0時) (レス) @page50 id: 12a63fcd20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - すごく面白くて更新楽しみにしてます😆応援してます💪✨ (5月14日 20時) (レス) id: 8d8bcc3d80 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月7日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。