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40話 ページ41

「じゃあな、気ィ付けろよAチャン」

「陣平チャンも女に刺されないように気を付けてね」

「ほっとけ」

無事に家まで送り届け
小言を交わしながら別れた

定食屋に行きづらくなった恨みをこめての皮肉だ

丁度いい時間にもなり
当初の予定である依頼のあった公園へと向かう

暫く車を走らせると
目的地が見えてきた

近くに路駐させ
車から降りて公園に入っていく


すると


「いた」

随分と大きめの呪霊を確認する

一応周りに住宅もある為
帳を下ろす

「闇より出でて闇より黒く、その穢れを禊ぎ祓え。」

帳を張り終えると
呪霊に向き合った

「満腹で結構眠いから早く終わらせてね」

こちらに気づいた呪霊が雄叫びを上げ突っ込んでくる

予想以上に早く動けるようだ

難なく躱し背後に回って拳ごと呪力をぶつける
奴の腕が吹っ飛んだところで
構え直し、もう一方の腕も飛ばそうとした

その時

飛ばしたはずの腕が既に再生しており
勢い良く私目掛けて飛んでくる

「おいおい」

振り抜かれた拳が頬を掠り
血が伝うのを感じる

こいつ、呪力はそこそこあるなと感じてはいたが
身体を再生するスピードを見るに1級より上か

呪霊は名の通り呪いそのもの
人間は反転術式を使わなければ治癒出来ないが
呪いそのものである呪霊は
再生・治癒が無条件に可能なのだ

だがそれは呪力差によって
速さにも差が生まれる

速さだけでいえばこいつは特級レベル

「これは久しぶりに楽しめそうだ」

低級ばかり相手にしていた為
ずっと不完全燃焼だった

普段相手にしていた呪霊の
あまりの手応えのなさにやる気は地に伏していた

そんな時にみつけた高レベルの呪霊

腐っても特級呪術師
実力をぶつけられる相手に
久々にアドレナリンが湧くのを感じた

「久々に会えたんだ、すぐ死んでくれるなよ。」

先程の数倍の呪力を全身に纏わせ
呪霊に向き直る

するとまた拳が飛んできた為
躱してその腕を両手で掴む

そしてそのまま呪霊の体を真上に投げた

追うように自らも飛び上がり
両手に呪力を貯め
真上から呪力の塊を放つ

見事に当たった体は地面に叩き付きられた

だが直ぐに起き上がり
ど真ん中に空いた風穴も一瞬で閉じた

それを見ながら
2つ案が浮かぶ

消耗戦に持ち込むか
一気にかたをつけるか

だが答えは1つ
後者だ

「《潰れろ》」

呪言のままに
跡形もなく祓われた


「喉痛い」

ちゃんと術による代償もあり
再度、今の呪霊のレベルを認識した

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の! - 続きが気になります!更新楽しみにしてます…! (5月15日 0時) (レス) @page50 id: 12a63fcd20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - すごく面白くて更新楽しみにしてます😆応援してます💪✨ (5月14日 20時) (レス) id: 8d8bcc3d80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月7日 0時

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