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39話 ページ40

お金を出そうとするが
大きな背中に遮られる
手を伸ばそうとしても横に押される

図体だけでかい
いや態度もか

払わせる気は無いんだなと思うと
素直に手を引っ込めた

「あの...」

会計中に
あのお姉さんが声をかけてきた

「彼女さんですか?」

「違います」

即答で返す

この子は陣平君に気があるんだろう
余計な誤解をうんで
いらないやっかみを買いたくない

女の妬みは怖いのを私は知っている
それも全部呪いになるのだ

「そ、そうなんですね。じゃあ、えっと、お兄さんの連絡先教えて貰えませんか...?」

そう照れながら言うお姉さん

教えてやれよという意味を込めて
肘で小突いてやる

「無理」

あまりの冷たい返事に
一気に場の空気が冷えきった

前言撤回、こいつはモテない

「今狙ってる女いるから、無理。」

「そ、そうなんですね...」

狙ってるだけで恋人いないんだから
交換ぐらいしてやれよ

とは思っても口にはしなかった

早くこの最悪の空気を脱したい
煙草が吸いたい

「あの!」

おいもう勘弁してくれ
帰してくれ私だけでも

声を上げたのは先程のバイト君

「お姉さんは彼氏いますか!」
「います。ご馳走様でした。」

陣平君の腕を掴み
引きずるように店の外に出た

地獄から無事生還した私は
自然とため息が出た

「陣平君、車?」

「いーや、現場終わりに下ろしてもらったから足無し。」

「このあと1件仕事あるんだけど、まだ時間あるし送ってくよ。」

「さんきゅ、助かる。」

駐車場に向かい
車に乗り込んだ

シートに体を預け
エンジンのみかける

窓を下げて
運転席の横ポケットから煙草とライターを取りだし
口に咥えて火をつけた

すると助手席からも火をつける音が聞こえる

「彼氏いたのかよ」

窓の外を見ながら言う彼の表情は伺えない

「あんなの嘘だよ嘘。」

「嘘?」

「その場をすぐ切り抜ける為の嘘。」

あんな嘘を信じたのだろうか

恋人なんてそんな時間も気力もない

タバコを吸い終わり一息つくと
漸く車を発進させた

「隣にいい男乗ってるのに彼氏なんて出来るわけなくない?」

「はっ、違いねェ」

恋人は要らないし
目の保養が欲しければ友人達で事足りる

そんな心情を知ってか知らずか
隣の男はどこか満足そうに笑っていた

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の! - 続きが気になります!更新楽しみにしてます…! (5月15日 0時) (レス) @page50 id: 12a63fcd20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - すごく面白くて更新楽しみにしてます😆応援してます💪✨ (5月14日 20時) (レス) id: 8d8bcc3d80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月7日 0時

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