34話 ページ35
年が明け
気づけばもう2月に入っていた
今年の初詣はいつもの2人組に
諸伏君が加わり
寒さと人混みが嫌で誘いを拒否し続ける私を
無理やり外に連れ出した
勿論諸伏君は
陣平君曰く
｢結局、毎年お前が最後に折れるんだからそろそろ諦めて潔く連れ回されろ｣
駄々ぐらい捏ねたくなる
きっと来年も攻防が繰り広げられるんだろう
2月に入ったこともあり
段々と日中は暖かい日が多くなった
それでも夜は肌寒く
上着はかかせない
今日は朝からついてなかった
朝起きると右耳のピアスのキャッチがどこかへ消えていた
ちょっとお気に入りになりつつあったマグカップが割れた
何だかなぁと思いつつ
既に先約がいるリビングのソファに座り
流れていた朝のニュース番組を観る
丁度占いコーナーに差し掛かり
会ったこともないのに
事ある事に八つ当たりしまくった
美人のお天気お姉さんが出て来た
朝から天気も占いもと
笑顔を一瞬足りとも崩さずに
視聴者であるこちらに話している
｢お、俺1位だ｣
隣から声が上がる
信じるか信じないかは別として
視聴者の大半の興味を引く占いって
凄いなぁなんて思う
｢Aさんは？｣
｢ん〜｣
話を振られ、降順に並んだ項目を
上から下に視線をずらしていく
｢12位｣
｢うわ、何もありませんように｣
｢12位の心配ありがとう1位｣
｢車両関係に気をつけましょう、だって｣
あのお姉さんに画面越しで会う日
私の1日は大体ツイてない日となる
今日の予定はいつも通り
骨董品店をまったり営業だ
だが今日はその後に予定がある
一般人からの呪霊の目撃報告があり
その現場に向かう手筈だ
景光君にも予め伝えておいた為
惜しいが今日の夕飯はお預けだろう
｢それじゃ、行ってきます。｣
｢うん、行ってらっしゃい、気をつけてね。｣
このやり取りにも大分慣れ
今では名前で呼ぶぐらいには親しくなっている
いつも通り愛車に乗り店へ向かう
店の横に駐車し降りた
扉の鍵を開け店内に入り
入口に掛けられたプレートを
CLOSEからOPENにひっくり返す
持ってきた小さいバッグを裏に置き
箒と箕を両手に店内に戻ると
ワイヤレスのイヤホンを片耳に装着し
音楽を聴きながら掃除をする
店内は骨董品に囲まれている割に
空気が澄んでいる
仕組みとしては、店外と店内
少し種類の異なる結界を二重に張っている
良くないものは1ミリも入る事が出来ないからこそ
ここは心地良い空間を保っていられるのである
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 76人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
の！ - 続きが気になります！更新楽しみにしてます…！ (5月15日 0時) (
レス) @page50 id: 12a63fcd20 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - すごく面白くて更新楽しみにしてます😆応援してます💪✨ (5月14日 20時) (レス) id: 8d8bcc3d80 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鮫のこ | 作成日時：2023年5月7日 0時
