人生二回戦目は求めてない。【名探偵コナン】

16話 ページ17

「そういえば、喋りてぇことがいっぱいあったんだっけ」


ゴンドラの中の会話を思い出す


「陣平ちゃんそんなこと言ったの？」

「うるせぇ」

「いっぱい喋れるじゃん、よかったね」


からかいながら言うと
萩原君も悪ノリしてくる


「じゃあまず」


「どーぞ」


本当にいっぱいあるのかと思いながら
言葉を待つ



「(人1)サンって彼氏いんの」


「男子高校生か」



なんだその質問は

萩原君は吹き出してひっくり返って死んだ
そのままひっくり返ってろ


「そんなこと聞きたくて観覧車でぐずってたの？」


「いいだろ別に、あとぐずってねぇ」


「恋人以前に色恋沙汰は前世で飽きたからもういい」


トータル何年生きてると思ってるんだ
同年代としても精神年齢が離れすぎてて
そんな目で見れない


あと


「確かにAちゃんって友達も全然いないよね」

「自覚あるから他人に言われるとムカつく」


友達と呼べる友達もいない
同級生がどこで何してるのかも知らない
名前だって誰一人フルネームで覚えていない
顔も思い浮かばない


不自由がなかった為
特にどうとも思わなかったが


他人に指摘されると
妙に気になる



「じゃあ俺たちが記念すべき友達1号2号な」


「1号2号」


「あれ？俺もう友達だよね？Aちゃん？」


助けた男達の距離の詰め方が異常だ


死の瀬戸際に1度でも立った人間が図太くなるのは
皆が皆そうなのか


こうして2度目の人生26年目にして
初めて友達ができた


その後
友達はいつでも会えるし話せる
と松田君の

陣平君の一言により
一旦はお開きになった


そして研二君の

友達なんだから下の名前で呼べ

という暴論によって

めでたく距離が縮まったらしい


陣平君とも連絡先を交換し

2人と別れてすぐに
再度感謝のメールが届いた



似た者同士、仲がいいんだなぁ

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