▽ ページ18
.
「…A」
『んー？』
テヒョンは寝室の壁を見つめながら
私を呼んだ
声のする方に向かえば
テヒョンは壁と言うより…
正確には壁に掛けられた一枚の絵を見て呟いた
「この絵、綺麗だね」
その絵は、学生の時にジョングクが描いた絵だった
高3の時に描いた風景画
ジョングクはその年の入学式に咲いた
桜を描いた
それがすごく好きで、綺麗で
ついジョングクのその絵を貰って
ここに引っ越した時に飾った
『テヒョンもそう思う？
それ、ジョングクが描いたの』
「…ジョングク、どっかで聞いたような」
『ほら、前に私が言ったお友だち！』
「あー！Aの大切な人！」
『…そうね、大切な人…』
もうしばらく会ってないな
少なくとも、私がテヒョンと出会ってからは一度も
昔はあんなに毎日一緒にいたのに
時間が経つのは早いし、なんだか寂しい
「Aはさ、」
『うん』
「ジョングクって人の話をするとすぐ
顔が赤くなったり、瞳を輝かせたり
…それから、悲しそうな顔をする」
『え？そ、そんなことっ』
「あるよ？」
『……っ、』
私ったら、テヒョンに図星突かれちゃった
そんなにわかりやすいのかな…
「羨ましいな…その人」
『え？』
「ううん、なんでもない」
テヒョンはそう言って
再びジョングクの絵を見つめた
その目は少し寂しげで、最初うちに来た時のように
儚かった
それが私が最後見た、テヒョンの横顔だった
＿＿＿＿＿＿
＿＿＿
次の日目が覚めると
テヒョンは私の横にいなかった
部屋中どこを探しても見当たらない
今度はベランダにもいなかった
それだけでなく、彼の物
全てなくなっていた
服も、靴も、バックも、ケータイも、小物も…
髪の毛一本も残さず
彼はこの家から、私の前から
…姿を消した
『テヒョン、どこにいるの…』
涙が自然と零れ落ちるのは必然的だった
自分でもこの時が来ると分かっていたかのような
そんな感覚
その時涙が出るのは当たり前かのように
ポロポロ零れ落ちる涙を拭おうとはしなかった
もう拭ってくれるテヒョンはいないのに…
結局彼は、私に何も教えてくれなかった
あっけなく去って言った
『いなくなるわけないって言ったのに…』
テヒョンのバカ
嘘つき
その日以来、“キム・テヒョン”は
現れなかった＿＿＿＿＿＿
.
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アヨン(プロフ) - 哀恋さん» 本当ですか！！ありがとうございます！とても嬉しいです☆これからもよろしくお願いします☆ (2018年4月21日 20時) (
レス) id: 5743db23eb (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 毎度嬉しいコメントありがとうございます！そうなんです笑 本当にここに来るまで時間がかかってしまいましたが、これからもよろしくお願いします☆ (2018年4月21日 20時) (レス) id: 5743db23eb (このIDを非表示/違反報告)
哀恋(プロフ) - この小説にドハマリしてしてしまった。読んでで入り込んでしまいます笑とても気になります。更新楽しみにしときますね！ (2018年4月21日 19時) (レス) id: bfa2c60ee1 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - そういう事だったんですね、、、更新楽しみに待っております^^ (2018年4月20日 22時) (レス) id: b305d9b979 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - テヒョン、花郎では、ハンソン (2018年4月14日 12時) (レス) id: 7b07a32b42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヨン
| 作成日時：2018年3月31日 17時
