【《現在》 5/31 貴方 】 ページ17
.
『ただいまー』
「……」
この日はやけに家の中が静かだった
『ただいまー、テヒョン？』
「……」
玄関に靴はあるのに、いつもの返事が帰ってこない
部屋中に響く時計の針の音が
やけに不気味だった
『テヒョン、どこ？』
家の中はいつも通り片付いていた
テヒョンが今日、荒らした様子はない
だけど何故か、テヒョンが見つからない
リビングにもお風呂にも、寝室にも
なんだか不吉な感情が胸をよぎった
そしてまさかと思い
この家でまた見ていない最後の場所を確認した
『……っ、テヒョン！！！』
そして彼は、そこにいた
この部屋はアパートの3階
そのベランダで身を乗り出しているテヒョンがいた
『テヒョン、ダメ！！！』
一番恐れていたことが
現在になってしまったと思った
彼を引き止めるのに無我夢中で
窓越しの彼に向かって思いっきり叫んで
やっとの思いで彼の服の背中を掴んだ
『何やってるのテヒョン！！
バカなことはしないで！
死のうとなんてしないでよ！！！』
「……A？」
ベランダに出て、テヒョンの服を掴んだまま
彼にしがみついた
追いついてホッとして、涙が溢れた
それなのにテヒョンは
間抜けな声で私の名前を呼ぶの
「死ぬって、誰が？」
『……え？』
「なんでA、泣いてるの？」
『っ、だってテヒョンが…』
「え、僕？
僕はただ、洗濯物干してたら
Aの下着落っことしちゃって
あ！っと思って地面を見てただけだよ？」
『……え、？』
「ごめん、A
今から拾ってくるから待ってて？」
死のうとしてなかった…
私の勝手な勘違い
縁起でもないことを私は…
『待ってテヒョンっ』
「……？」
外へ出ようとするテヒョンの手を掴んで
引き止めた
安心して、自分がバカみたいで涙が溢れた
「…A、泣かないで？
どうしたの？」
『…テヒョンのバカ
おどかさないでよ…っ、』
「…え？」
『…いなくなっちゃうかと思ったじゃん』
床に崩れ落ちた私の目線に合わせて屈むテヒョンは
優しく私の涙を拭った
私が彼にしたように
頭を撫でて、優しく抱きしめてくれた
「いなくなるわけないじゃん…」
刹那、自分でもよく分からない
初めての感情に胸が覆われた
テヒョンの温もりが、すごく
すごく…心地よかった
「ね、それよりA…下着は？」
『…っ、！は、早くとってきてよバカ！』
「え？！」
『もう知らないっ///』
テヒョンのバカ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 653人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヨン(プロフ) - 哀恋さん» 本当ですか！！ありがとうございます！とても嬉しいです☆これからもよろしくお願いします☆ (2018年4月21日 20時) (
レス) id: 5743db23eb (このIDを非表示/違反報告)
アヨン(プロフ) - alexandrite_bbcさん» 毎度嬉しいコメントありがとうございます！そうなんです笑 本当にここに来るまで時間がかかってしまいましたが、これからもよろしくお願いします☆ (2018年4月21日 20時) (レス) id: 5743db23eb (このIDを非表示/違反報告)
哀恋(プロフ) - この小説にドハマリしてしてしまった。読んでで入り込んでしまいます笑とても気になります。更新楽しみにしときますね！ (2018年4月21日 19時) (レス) id: bfa2c60ee1 (このIDを非表示/違反報告)
alexandrite_bbc(プロフ) - そういう事だったんですね、、、更新楽しみに待っております^^ (2018年4月20日 22時) (レス) id: b305d9b979 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(プロフ) - テヒョン、花郎では、ハンソン (2018年4月14日 12時) (レス) id: 7b07a32b42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アヨン
| 作成日時：2018年3月31日 17時
