Gelato_7(fin)

■ ページ8

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翔太side




部屋に一人になる

ふと流れてしまっていた涙を手で拭った


「はぁ」


まただ、ため息がもれる



なんだか病室の空気が重く感じて
ふとここから出たくなった



この時期インフルエンザや風邪が流行っているからって、病室以外に出る時はマスクをするように言われていたけれど


そんなのも煩わしくて
ただベッド脇に置いてあったパーカーだけを
さっと羽織っただけの格好で病室を出る



行くあてもないのにね
行ける場所だって限られているし


結局いつもの中庭のベンチに座る



思っていたよりもずっと寒くって
とても冷たい空気が肺に入ってくる感覚


そういや、雪が降るとかTVで言ってたかな…


冷たい空気に刺撃されてコンコンと乾いた咳が出る




…手術を受けた方が良いんだろうなって
ふわっとは分かっている…



でも正直恐怖心が大きい



何度も経験しているからこその
手術前後の苦痛なんかも鮮明に分かってしまうから…

また同じ苦しみに向かわなきゃ行けないのかなって怖さがリアルで…

考える事もただただ辛い


それに、例え手術を受けた所で
何も変わらないかもしれない
なんてそんな話しされたら…


「わかんねーよ、どうしたら良いのか…」


ハァっと冷たい空気に白い息が出る





流石に寒くて体が震えてきた

なんでこんな我慢大会みたいな事してるんだろうって思うのに

体は寒空の中庭でベンチに座ったまんま
なんだか動けなかった



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