Gelato_5 (ページ16)

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翔太「……ありがと…」

まだ痛む胸をかばいつつ立ち上がると
北斗に少し支えられながら教室を出た

保健室はワンフロア下なので階段を使う

階段を降りている時また胸がキュッと痛み
足が止まってしまう

階段に座り込む翔太

北斗は動じること無く優しく背中をさする

北斗「ねぇ、薬鞄の中にある？」

翔太は痛みを逃すように
ゆっくり息をしつつコクコクと頷く

翔太「横のポッケ…入って…る…」

北斗「はいよ、あら無いなぁ、
ん？コレはちゃんと出しとけよ」

サイドポケットにギュッと仕舞われていた赤地に白い赤十字とハートの書かれたヘルプマークを見つけた北斗

そして反対側のポッケに手を入れる

北斗「あったあった、これね」

ピルケースを見つけると手慣れた仕草で薬を手に取り翔太の口元へと持っていく

舌の下で溶かすタイプの薬を
的確にポロンと口に放り込まれ

階段の壁に少しもたれながら薬が効いてくるのを少し待てば効果はすぐに現れて胸の痛さは我慢できるレベルにまで無くなり、息もしやすくなる

翔太「ごめん、ホントありがと…」

ずっと背中をさする手を止めずに
優しく微笑んでくれた彼

北斗「とりあえず、保健室行こっか？」

またコクンと頷く翔太

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