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「コホッンンッ…ケホッケホッ」
ふっかが部屋を出ていってからも
やっぱり止まらない嫌な咳
鎖骨の上辺りを手でさすってみても
だんだん苦しくなってくるこの感じを止められない
ヒュッっとうっすら自分の胸から聞こえてくる呼吸音にこれから苦しくなりそうな事が分かってじんわり涙が目にたまってしまう
「コホッゴホッ、ん゙ッケホッケホッ」
ふらっと入ってくるふっか
深澤「あらら、酷くなっちゃってる？
これやっとこうか」
と吸入器を持ってきていた
機械をセットされ
白い蒸気がマスクからフワッと出てくる
自分で口元に当てて深呼吸
吸入器をしていると息する事を意識しすぎちゃって
今、息を吸っているのか、吐いているのか
分からなくなってくる
そして、まだ終わんない？
って毎回想像よりも長く感じる
その間ふっかは丸椅子に座って
「はぁー」なんて天井見上げて束の間の休憩？
お疲れモードなふっかを横目に俺はやっぱり
「まだ終わんないのかよっ」て思いながら
呼吸を意識しすぎてまた分かんなくなる
ピーピーって音がなって終了
マスクから顔を離すと水蒸気で鼻がむず痒くて
ティッシュで乱暴にふく
深澤「あらら、
そんなゴシゴシしたら赤くなっちゃうよ？」
ふっかは手際よく片付けて
ティッシュまでちゃんとゴミ箱に捨ててくれて
少し咳が落ち着いてほっとした俺に
「ゆっくりしてなね」
って一言だけ言って部屋を出て行った
今いろいろ口煩く言われたらまた反抗したくなっちゃうのもお見通しって口調で言われるたった一言
それがまたちょっとムカつくんだけどね…笑
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作者名：まめり | 作成日時：2023年10月26日 15時
