Gelato

■6月 ページ32

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ある日の夕方

ふらっと部屋に入ってくるのは樹
中学の制服のまま



樹「あちーー、まだ6月なのにね。」


翔太「今日良い天気だよね」
ふっと窓の外を眺める


樹「ちょっと窓開けて良い？」


翔太「うん。」

意外といい風が入ってくる



翔太「あーー外行きたい。」

樹がふはって笑った



翔太「ん？どした？」


樹「しょぴーはさ、6月になると
病院抜け出したくなる癖あるの？」

ニヤっと笑う



翔太「その話好きだよねぇ、
ホント、ずっとその話するもんね
もう何年前よ？」


樹「ほんとに出てっちゃダメだよ？」


翔太「そんなん分かってるよ
あの時1回だけじゃん」



樹「1回でもあるの凄いよね(笑)」






夕飯の配膳に来た佐久間

佐久間「あ、樹いらっしゃーい
よかったー、樹いると翔太
ちゃんとご飯食べてくれるんだよね」




樹「こんにちはー

もう夕飯の時間か
俺もなんか買ってきて良い？」



翔太「うん、待ってる」



樹はこうやって週に何回か一緒に
御飯を食べてくれる
樹は樹で1人だとご飯食べない事が多いみたい





他愛もない話をしながらのんびりご飯を食べる

樹「あ、そうだ、また風磨遊びに来たいって」


翔太「おお、連れてきてよ
俺はいつでも暇だからさ」


樹「おっけー」



食べ終わると、ささっと片付けてくれて
またねー
とふらっと帰っていく樹







ー
兄弟なんだけど、友達に近くて
でも今までの事も全部知ってくれているし
受け止めてくれている
樹が弟になってくれて良かった。

そして、小さい頃はママやパパを
ひとりじめしちゃう事が多くてごめんね。

それでもお兄ちゃんでいさせてくれてありがとう。
ー




なーんてらしくもないLINEを
樹の誕生日に送ろうかな、なんて書いてみたけれど

やっぱりこんなの恥ずかしくて送れるわけない

全てポチポチ消去する





いつかちゃんと伝えられたら良いな





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