三十四振 ページ34
｢｢｢｢｢｢｢｢いただきまーす！｣｣｣｣｣｣｣｣
「……ふぁあ」
屋根の上。俺は元気の良い声を聞き流していた。
え、朝餉？ ……俺は殆ど食わなくて良い体でな。三日に一回食えれば十分なわけ。……前世からこうだった。まぁ、今は付喪神っつー事も作用してるんだろーけど。
「ん！ この七草粥すっげぇ美味い！ な、じっちゃん！」
「そうだなぁ」
「それはよかった。光忠くんが作ってくれたんだよ。あぁ、雅な香りだ……」
「このおひたしもおいしいです！」
おやおや。喜んでくれてるようで何よりだ。
「う〜……頭痛ぇ……」
「自業自得ですな。主殿、水をどうぞ」
「きょーうも呑むぞー！」
「朝から……次郎、止めなさい」
ああ……昨日酔いつぶれていた呑兵衛達も起きたんだな。二日酔いで吐かなきゃ良いんだが。
「みっつただ〜、そこに居るか〜？」
「ん？」
なんて、大広間での会話を聞きながら空を見つめていたときだった。下の……縁側の方から鶴丸の声が聞こえた。
「居るが……如何かしたか」
軽く地面に飛び降りて返事をする。
「うおっ!? じゃなかった……光忠、朝餉食わないのか？」
その事か。まぁ……鶴丸とは入れ違いになったからな。余計に不思議だったんだろ。
「ん、要らん。別に食わなくても死なないしな」
俺は今、付喪神。物を食わなくても死にゃあしない。元々三日以上食わないでも空腹にならない体だったんだ。今更構わん。
「確かに俺達は食べないぐらいで死ぬ訳ではないが……やはり腹は減るだろう？」
「慣れてるから良い」
さらり。口から出た言葉に鶴丸は顔をしかめた。
……しまった。鶴丸に転生した事を悟られたか？ 失言だ……。
「……そ、んなこと……言うなよ」
……え、なんで泣きそうなの？
「これからは皆で飯を食べるんだ！ ほら光忠行くぞ！ 拒否権はないからな！」
「いや俺が行っても空気が悪くなるだ──」
「問答無用だ！」
俺は鶴丸に引きずられて、大広間に入った。……解せぬ。お、怒らせるようなことを言ったつもりは無いんだが……？
あああああ！ それより助けてくれ！ 腹が減っていないのに飯を食うとか……キツいから！ 七草粥でもキツいから！
「くる……し……！」
あと首しまってるから！ 鶴丸手を離せ！ 頼むから!!!!!!
「ん？ 鶴や、光忠が苦しそうにしておるぞ。手を離してやれ」
三日月……お前は救世主だな。俺は三日月のお陰で生還できました。ﾊｲﾊｸｼｭｰ。
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写しの本(プロフ) - Lostさん» 成る程……妙案ですね(ゲス顔)続編ではその案を使わせて頂きますね。楽しみにしていて下さい……♪ (2016年6月19日 21時) (
レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
Lost - 写しの本さん» 土下座はダメですよ！？…リクエスト、というかネタ提供だが、主人公が審神者の頼みで演練に行く→相手ブラック本丸→相手が倶利伽羅達を罵倒→主人公ブチ切れる→虫の息→周りの審神者政府に通報→本丸で過去話(勘違い継続)→一応和睦！なんてのはどうだろう？ (2016年6月19日 19時) (レス) id: dcf8eff515 (このIDを非表示/違反報告)
写しの本(プロフ) - Lostさん» なんか済みません……？ あ、リクエスト下さい(ドゲザー) (2016年6月19日 13時) (レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
Lost - やっと更新された…！ｸﾞｯ(拳を天に掲げる) (2016年6月19日 5時) (レス) id: dcf8eff515 (このIDを非表示/違反報告)
写しの本(プロフ) - Lostさん» 応援ありがとうございます。頑張りますね……！ (2016年6月1日 7時) (レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：写しの本 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/occasional3/
作成日時：2016年4月19日 2時
