柒歩目 ページ7
山姥切国広が出陣で闇堕ちしそうな刀剣を拾ってきた。何でも“声”が聞こえたらしくて、気になったんだって。で、僕は今その刀剣に片手を置いている。
「……本当に顕現するのか？」
「キミが連れて帰ってきた仲間でしょ？ 闇堕ちでも何でもけんげんするよ！」
心配そうな顔をする山姥切国広に、僕は努めて優しく微笑む。
「……解った。頼む」
やっと笑った山姥切国広の瞳を一瞬見据え、僕は彼の顕現に取り掛かった。
「さぁーて、と。」
置いていなかった方の手を優しく、重ねるように刀の上に置き、唱えるように言葉を紡ぎ始めた。
「キミの名前は知らないし、何があったかも知らない。でも尋ねないよ？ キミが望まないなら。だからさ、僕のところに…来て下さい！」
山姥切国広が、周りの景色が、グニャリと歪んだ気がした。
「夜!!!??」
山姥切国広の声を最後に、僕の意識は闇の中に引きずり込まれていった。仕方ない、フラグは折っていきますかー！ ……泣きたい。
──────
───────────
「しっつれいしまーすっと」
ここは“彼”の心の中かな？ 硬そうな白い岩と枯れかけた植物が沢山在る世界。
……でもさ、彼が闇堕ちしかけてたってことはまぁ……『ﾏｯｸﾛｰﾅﾎﾝﾏﾙｩ(血涙)』に居たんだろうなぁ〜。あ、涙出そう。
「誰、ダ……」
後ろから聞き覚えの在る声。振り向けばそこに居るのは薬研藤四郎。君、だったんだね。
「僕は夜！ キミの名前は？」
「俺、チは…やげ、んとう、ろう…ああアァァァァァ!!!!!!!!」
突然薬研藤四郎が叫び始めた。
「ニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイィィィィ!!!!!!!!!!!!! 兄弟ヲ守レナカッタ俺ッチガ！ 旦那方ヲ折ッタアノ人間ガ！ オ前モﾀﾋネ、人間ンンンン!!!!!!!」
……こりゃ何があったんだろーね。凄く現実逃避しまくりたいよ！ でも…このまま放っておくのは審神者の名が泣くわ。あ、２回目かな？ でもね、これは本心。
「さぁて、山姥切国広のためにも、薬研藤四郎自身のためにも頑張りましょーっと！」
山姥切国広に代わって、キミの事を浄化してあげるよ！
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霧憑 幻(プロフ) - 写しの本さん» 日替わりから此方を読んでいる者です。 ちょくちょく入っている歌詞とか詩のような表現とても素敵です！ 応援してます。 無理をせず、更新頑張ってください！ (2016年12月13日 21時) (
レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
つなれな(-.-)(プロフ) - 順位おめでとうございます！これから来る刀剣のヒントとか聞きたいです((更新頑張って下さい('ω')ﾉ (2016年4月4日 20時) (レス) id: 9150f75282 (このIDを非表示/違反報告)
写しの本(プロフ) - アイカさん» ……大変失礼致しました。 (2016年3月9日 7時) (レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
写しの本(プロフ) - アイカさん» ああ……本編ではまだ書いていませんでしたが、主人公は女です。れっきとした。なので[ピーーー]とか付いてませんよ(真顔)←← (2016年3月9日 7時) (レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 主人公は男の子ですか？女の子ですか？ (2016年3月9日 7時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：写しの本 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/occasional3/
作成日時：2016年3月7日 17時
