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参拾弐歩目 ページ32

「──僕は、鳴狐……鎌倉時代に打たれた打刀。……宜しく」

光と桜吹雪の中から出て来たのは鳴狐。……でもこの鳴狐には違和感があった。……お供の狐が居ないことと、仮面を付けていないことだね。

「なきぎつね、だね! 僕は夜! これからよろしく!」

「え、何で僕こん、なところに……しか、もにん、げん……?」

おおっと、しかも前本丸の記憶持ちと来た。……口振りからも色からもこれは……

「うん? 僕はにんげんだよ? それがどーかしたの?」

「うう、ん……な、んでもな、い」

黒、だったんだね。

「んん?」

「……主」

ありゃ、にっかり青江は気付いたみたいだね。流石は霊を斬った刀。敏いね。……偵察一位、というのもあるのかな。

「新入りくんには気を付けて」

「んんんんん? よく分かんないけど……分かったかも!」

少しずっこけるにっかり青江。地味に面白い……。

「えーっと、じゃあこれから本丸の中をたんけんしよっ! あんないしながら、みんなをしょーかいするよ!」

無邪気に、無邪気に、無邪気に。あくまで僕の見た目は六歳。子供だからね。

「え……あ、う」

「にっかり青江もー! ほらいくよっ!」

二人の腕を強引に引っ張って、僕は駆け出した。

「ちょ、主……強引だなぁ……勿論、その行動の速さのことだけどね」

「えと、ぼ、僕は……」

何かもにゃもにゃ言ってるけど……面と向かって言ってくれなきゃ解んないよ? だーかーら、

「はーい、ここがおおひろまだよっ! しょくだいきりみつただ! あたらしくなきぎつねがきたよ! 昼餉はちょっとごーかに!」

「オーケー! 任せてくれ!」

止まりませーんっと!



「燭台切、光忠……? みつ、ただ……?」

僕の耳に届いたその小さな言葉。それはとても……不思議な感じの響きだった。

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霧憑 幻(プロフ) - 写しの本さん» 日替わりから此方を読んでいる者です。 ちょくちょく入っている歌詞とか詩のような表現とても素敵です! 応援してます。 無理をせず、更新頑張ってください! (2016年12月13日 21時) (レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
つなれな(-.-)(プロフ) - 順位おめでとうございます!これから来る刀剣のヒントとか聞きたいです((更新頑張って下さい('ω')ノ (2016年4月4日 20時) (レス) id: 9150f75282 (このIDを非表示/違反報告)
写しの本(プロフ) - アイカさん» ……大変失礼致しました。 (2016年3月9日 7時) (レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
写しの本(プロフ) - アイカさん» ああ……本編ではまだ書いていませんでしたが、主人公は女です。れっきとした。なので[ピーーー]とか付いてませんよ(真顔)←← (2016年3月9日 7時) (レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 主人公は男の子ですか?女の子ですか? (2016年3月9日 7時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:写しの本 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/occasional3/  
作成日時:2016年3月7日 17時

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