弐拾柒歩目 ページ27
見えてきたのは惨状。俺っちと同じような……いや、もしかしたら俺っちよりも酷い日々だったのかもしれないな。……燭台切の旦那の記憶が流れ込んできた。
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「倶利、ちゃん……?」
「み、た……逃……ろッ!」
目の前には堕ち掛けた倶利ちゃん。紅黒く染まった左眼を抑え、苦しんでる。その手を引き剥がそうとするように動く右手には、歴史改正主義者と同じ骨が蠢いていた。
「なん、で……」
「あーらら、もう壊れんのか」
声に振り返れば主。その目は酷くつまらなさそうだった。
「あ、ある、じ……? 倶利ちゃんを助け……!?」
言い終わるか終わらないか……そんな時だった。主に蹴り倒されたのは。
「かフッ!?」
「なーに“物”のクセして俺様に命令してんだ光忠ァ? ン?」
体重を掛けて、踏まれる。痛みと息苦しさから目の前がぼやけていく。
「みつ、た……あ″あ″ァ″ぁ″ア″ア″ァ″ぁ″あ″ア″ぁ″!!!!!!!!」
視界の端で捕らえたのは、変わり果てた倶利ちゃんの姿。
「チッ堕ちたか……ふん、まァ良い。おい、『アレを壊せ』」
「え、や、やめ、て……止めて止めてやめてやめてヤメテヤメテ!!!!」
「そんな、事が……」
「しょくだいきりみつただ……おおくりから……」
追体験。燭台切の旦那の記憶は、俺っちには重すぎた。眩暈がする。胸の奥から、消えていたはずの黒いモノが沸き上がってくる……!!
「……やげんとうしろう、『戻りなさい』」
「ぁ……っ!?」
唐突に聞こえた大将の声は凛としていた。有無を言わさない言葉に、俺っちの意識は……白色に塗りつぶされていく。
「……『光忠』」
最後に見えたのは、雰囲気がすっかり変わった大将の姿だった……。
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霧憑 幻(プロフ) - 写しの本さん» 日替わりから此方を読んでいる者です。 ちょくちょく入っている歌詞とか詩のような表現とても素敵です! 応援してます。 無理をせず、更新頑張ってください! (2016年12月13日 21時) (レス) id: a919ed2021 (このIDを非表示/違反報告)
つなれな(-.-)(プロフ) - 順位おめでとうございます!これから来る刀剣のヒントとか聞きたいです((更新頑張って下さい('ω')ノ (2016年4月4日 20時) (レス) id: 9150f75282 (このIDを非表示/違反報告)
写しの本(プロフ) - アイカさん» ……大変失礼致しました。 (2016年3月9日 7時) (レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
写しの本(プロフ) - アイカさん» ああ……本編ではまだ書いていませんでしたが、主人公は女です。れっきとした。なので[ピーーー]とか付いてませんよ(真顔)←← (2016年3月9日 7時) (レス) id: 43efac2d9a (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 主人公は男の子ですか?女の子ですか? (2016年3月9日 7時) (レス) id: 0cd967d7be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:写しの本 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/occasional3/
作成日時:2016年3月7日 17時