六節 side要 ページ7
「...そんな」
俺たちからの報告を聞いて雅兄の目が見開かれた。
「まさか、ここまでとはねぇ」
黙って聞いていたひーちゃんも考え込むように口をつぐんだ。
「これは...本当...」
「雅兄、Aの部屋に入っても良い?」
「え?良い、けど...」
「色々と見ておきたいのよ」
そう言って立ち上がったひーちゃんに俺たちはついていった。
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ひーちゃんがゆっくり中に入っていく。
”あの日”のままにされているAの部屋はあの時のまま散らかっている。
床に散乱している本、割れた置物、倒された花瓶、乱れたカーペット。
部屋の隅で泣き叫ぶAを思い出して心臓がキリキリする。
「これはまた...」
目を細めたひーちゃんが呟く。
そんなひーちゃんを尻目に、Aの机に目を向ける。
ペンが卓上にぶちまけられている。
俺はある写真立てを見つけた。
それは高校の教科書の間に隠しているかの様に入っていて、抜き出してみて見る。
それは家族写真だった。
「っ...、」
小さなAは京兄に抱き抱えられて笑っている。
ああ、こんな顔をして笑う子だった。
えくぼを浮かべて至極楽しそうに。
この笑顔を見るだけで俺は________
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俺たちは幸せだったんだ。
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芥川さん芥川先生大好きハァト?(?´▽`?)(プロフ) - コメント失礼します、このふたつの作品を小さい頃にみて好きになった作品なんです。それを、このアプリでまた見れてとてもなんだか嬉しくなりました。内容もとても現実味があってとても好きになりました!思い出させてくれた作品でした、ありがとうございました (2022年10月20日 3時) (レス) @page36 id: e045e2365d (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - ルナさん» 最後までありがとうございました!自分の作品をそう言って頂けて嬉しい限りです...泣 (2020年8月11日 12時) (レス) id: 9fec9f9c9f (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 本当にお話が面白くて、感情移入しすぎて何回も泣いてしまいました笑。ディアラバもブラコンも好きなので読んでいて飽きませんでした。シュウ達の優しさに改めて惚れました笑。本当に面白かったです。 (2020年8月11日 0時) (レス) id: e324944dd9 (このIDを非表示/違反報告)
アルム(プロフ) - 凛さん» わー!ありがとうございます!!原作も是非見てみてください!(笑) (2020年7月9日 20時) (レス) id: 9fec9f9c9f (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - コメント失礼します!!あまり知らないものだったのですが、最後まで一気に読んじゃいました!!完結お疲れ様でした!!最後の方はなんだかウルウルしちゃいました笑 (2020年7月8日 9時) (レス) id: 2f507e2d7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アルム | 作成日時:2020年5月16日 18時