私の家族4【BROTHERSCONFLICT】

四節　sideシュウ ページ5

音楽室でいつものように寝ていると、聞き馴れた足音で目が覚める。





せっかく気持ち良く過ごしていたのに。





最悪だ。





「あ、れ...居たんだ」





いつものようにヘラリと笑ったコイツから血の匂いがした。





「......何かあった？」





「え？いや、何もないよ？」





こうして俺は１つ見落とした。








・








・








「最近おかしいぞアンタ」





「おかしい？！どこが」





「.........色々」





「いっ...色々って何？！」





俺の回答に不満があったのか怒っているコイツに問う。





「何考えてる？」





俺の言葉を聞いて、じっと。





呼吸音も心音も聞こえない程静かに俺を見つめて来るアイツはフッと息を吐いた。





「なんでバレるのかな〜」





と眉尻を下げて笑うと諦めたように話し始めた。





「最初は仲良かったんだけどね、いつの間にか独りになってた」





乾いた笑いを溢す。





「でも１人...１人だけその状況を知っていても離れないでいてくれた弟が居るの」





アイドルをやっているのよ、と誇らしげに言った後





「...だからこそ巻き込む訳にはいかないのよ」





と呟いた。





「それと、腕のソレ(・・)は関係あるのか？」





「えっ、いや...腕って？何もないよ？」





そう言って右腕を見せて例のごとく貼り付けた笑みを浮かべたコイツの顔を見て、俺は何も言わないことにした。

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