私の家族4【BROTHERSCONFLICT】

三節　sideシュウ ページ4

屋上のドアを開けると先客がいた。





「っあー！ビッックリした...先生かと思った」





心底焦った顔で俺の顔を凝視してくる女は





「先輩ですよね？」





と靴を見て言った。





「...何してんの」





いわゆる”天真爛漫”。





そんな女が纏った空気がドロドロとしたものである事に興味を持った。





「いやぁ、ここから落ちたらどれだけ痛いのかなって」





邪魔だろうし、次の授業があるからと入れ替わるように女は校内へと戻っていった。








・








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それからはよくサボっている所に遭遇する、もしくは鉢合わせすることが多くなってきた。





屋上に居る日もあれば音楽室にも来る。





俺が居たときは話しかけても来る。





正直、迷惑だった。





「元々使っていたんですー！」





と言ったこいつは新入生の朝日奈Aだと名乗った。





「私、居場所無いんですよ」





そう言っても尚、貼り付けたような笑みを崩さない様子は一向に変わらなかった。








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「あ、シュウだバイバ〜イ」





いつの間にか名前で呼ばれることが当たり前になり、俺にとってもそれが当たり前のようになった。





ライトやカナトにはいつもの俺じゃないだの気持ちが悪いだの言われていたけどめんどうだったから無視をした。





「ちょ、A？！どういうこと？！」





アイツの周りには絶えず人が居て、”居場所”が無いようには到底見えない。





「なんであの逆巻シュウと話してんのよ...！」





「ちょ、は？？詳しく聞かせて！」





「なんでって普通に...」





「「普通じゃ！ないから！！！」」





......心の底から面倒だ。





連れられていくアイツを無視して、流れてくる音楽の音量をあげて周りの音を全て遮断した。

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