私の家族3【BROTHERSCONFLICT】

二節　side琉生 ページ10

忘れもしない、僕が5歳になった頃。





ミワ、と名乗る女の人が僕達の前に現れた。





「私の家に来ない？」





そう言って僕の頭を撫でてくれたミワさんの手は暖かくて。





この人が好きだ、と幼い僕は生意気にもそう感じたのかもしれない。





何より僕以外の人が近づくと泣き出すか不安そうな顔をするAがミワさんに対して笑ったってことが1番だった。





数日後、ミワさんは1歳になったばかりのAの事を抱っこして、片手で僕の手を繋いで。





そうして連れてきてくれたのはとても大きなマンションだった。





とにかく大きい、そんな印象だったのが今でも思い出せる。





「いらっしゃい、私たちの家へ。今日から貴方……＿＿＿琉生とAは朝比奈家の一員よ！」





今だからこそわかるけど、たぶん当時の俺はミワさんの言葉があまり理解はできていなかったんだと思う。





・





・





・





・





・





・





「………」





自室の写真立てを見る。





幼い僕とAの写真。





少し成長した僕と小学生のAの写真。





大事な、大事な、僕の宝物。




「A、…」




＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


2019年あけましておめでとうございます！
お久しぶりです嚥下です。


不定期更新誠に申し訳ありません(T_T)
これからもゆっくり不定期更新になってしまうとは思いますが完結するまで続ける決意ですのでどうか末永く見守ってやってくださいませ、、


さて、この話の中で琉生が5歳の時に朝比奈家に引き取られた。と表記しておりますが、原作では琉生が1歳の時に引き取られた事になっています。
そして昴から下はその事を知らない状態に公式ではなっているのですが、この小説の中では5歳で引き取られたという設定上、今後昴も知っている状態になることをご了承ください。

三節　side琉生→←一節　side琉生

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す