鬼舞辻無惨の妹１

肆拾肆　京極屋 ページ45

善逸サイド

俺は宇髄さんの奥さんを探すんだったよ。

三味線と琴の腕を上げたってどうしようもないだろうよ。

でもなあどうしよ。

ずっと聞き耳立ててんだけど雛鶴さんの情報はないぞ。

それどころか俺と同じ京極屋にAちゃんが入ったって聞いたけどいないよ。

確かにAって人は入ったけど音が違うし、見た目も違う。

ん？ひっくひっくぐすん。

という音が聞こえた。

一大事だ。女の子が泣いている。

善「ちょっめちゃくちゃなんだけどどうしたの？この部屋。えっ喧嘩した！？大丈夫！？」

堕「アンタ人の部屋で何してんの？」

鬼の音だ。

声をかける直前まで気づかなかった。

こんなことあるの？

これは上弦の鬼じゃないの？

堕「オイ、耳が聞こえないのかい？」

「わ蕨姫花魁、その人は昨日か一昨日に入ったばかりだから。」

堕「は？だったらなんなの？」

善「勝手に入ってすいません！あの子が泣いていたので。」

堕「不細工だね。お前気色悪い。死んだ方がいいんじゃない？」

蕨姫花魁がその子の耳を引っ張る。

女の子になんてことするの？

耳から血が出ているよ。

俺は蕨姫花魁の手を掴む。

善「手放してください。」

蕨姫花魁に俺は突き飛ばされそうになったけどその寸前で誰かが止めた。

『蕨姫花魁、この子には手を出すな。』

蕨姫花魁を止めた女は凄い圧を放っていた。

堕「Aちゃんがそう言うならやめておくわ。」

それに堕姫花魁を止めるまでは気づかなかった。

鬼の音。えっこの人も上弦！？

俺を助けてはくれたけど。

怖いんだけどあの蕨姫花魁を止めるなんて。

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